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kobakoまとめ *2022.8月号-b
・ほぼ魔族長と部下夢主(+たまにリザル)の会話文です。
・時系列等々バラバラ
・series設定の話も含まれています。


▼暑くて頭働かない長

「……暑い」
「案外お部屋の外に出た方が涼しいかもしれませんよ、マスター。森の中にある水辺とか」
「…………俺に命令する気かよ、部下のくせに」
「あら、予想以上にご機嫌斜め……」
「この俺に動けだなんて生意気を言い出す前に、部下としてご主人様へのご奉仕をしてみせたらどうなんだよ」
「ご奉仕って……具体的に何をご所望ですか」
「…………」
「……マスター?」
「…………その水辺とやらをここに持ってこい」
「(暑さにやられすぎて屁理屈も雑になってる……)」

▼あと、おいしくはなさそうだと思います

「あ、そうだ、フロリア湖の方とか涼しいですよ、絶対!」
「…………」
「だ、だめ、です……?」
「別に。……かつてお前が焼き殺した亜人の怨霊が蔓延っているだろうと思っただけだよ」
「ご、語弊があります!! いや、無いかもしれないですけど……! 水龍にさえ気をつければ比較的快適な環境のはずです!!」
「わざわざあのクソ龍に会いにいけと? 行くならお前一人で行けよ。俺は暇じゃねぇんだ。どうしても連れて行きてぇなら、あの龍を焼いて串刺して食える状態にしておけ」
「ま、マスター、口調だけじゃなくて言ってることもとんでもなく雑になってきてます……!!」

▼ぺろぺろ仲間

「あれ……蛇がいる」

「(珍しいなぁ、魔物だらけの拠点に普通の動物がいるなんて)」
「(ちっちゃくてかわいい……目がくりくりしてる)」
「(リザルはトカゲだけど……リザルと並んだら親子みたいに見えたりするのかな)」
「(あ、舌ぺろぺろして……る……)」
「(…………)」
「(何か……既視感が……あるような……)」

「リシャナ」
「ッぎゃあ!!? ま、マスターッ!? どうしてここに!?」
「決まっているだろう。……お前がワタシ以外の生物にうつつを抜かしている気配を感じたからだよ」
「うつつって、蛇見てただけじゃないですか!! ……たしかにマスターのことが頭過ぎりましたけど」
「……へえ?」
「……すみませんでした」

▼宝物みっけ

「んー……」
「ンだよお嬢、深刻そうな顔ダナ」
「ちょっと悩んでることがあるんだけど」
「おう」
「さっき、マスターのお部屋をいつも通りお掃除しててね」
「おう」
「お部屋の掃除が終わって、マスターの匂いが残ったベッドを整えてて、」
「……しれっと匂い嗅いでンじゃねェか」
「枕元に、見つけたの」
「何を」
「これ。……マスターの髪」
「……おう」
「普段お掃除してて滅多に見ないんだけど、何故か今日はあって。……で、じっと見てたらやっぱり綺麗な色してて」
「…………」
「けどさすがに、これを保管しておくのは部下として……というか人としてアウトかなって」
「もうとっくにアウトだよ、お前は」

▼とりあえず馬鹿にされてる

「ふんっ……!」
「…………」
「ふぅん……!!」
「…………(ドンッ」
「ふ、おおぅッ!!?」
「……騒がしい」
「つま先立ちしてただけなのにマスターが突き飛ばすからじゃないですか!!」
「目の前で目障り極まりない挙動をするからだよ」
「ちゃんと理由があるんです!」
「どうせくだらない理由だろう?」
「くだらなくないです。……立ったままマスターとちゅーする時、いつも背伸びしないと届かないので、つま先立ちの練習しなきゃいけないんです」
「…………悪いね。その頭の悪さを可愛らしいと思うほど、美しく聡明なワタシは愚かな部下に理解を示してあげられないのだよ」
「冷静に諭された……」

▼きんきん長

「んんーーっ」
「騒がしい」
「ごめんなさい。……んんんーー、ッたぁ!!」
「騒がしいと言っただろう」
「し、仕方ないじゃないですか、氷が冷たくてキーンってするんです! 今のデコピンで余計にダメージ食らいましたし……!」
「お前の頭が弱いのが悪い。精神的にも物理的にも」
「なんで私のオツムまでまとめて貶されたんですか……、マスターも食べてみたらキーンってしますよ。かき氷」
「ハッ! このワタシが氷の塊ごときに引けをとると?」
「じゃ、食べてみてください。はい、あーん」
「…………ん」
「(どさくさに紛れてあーんしちゃった……)。……どうですか?」
「…………」
「……マスター?」
「こ……ッッ、の程度で、どうともしない、とも」
「(予想の十倍効いてる……)」

▼べったり主従シリーズ_最近聞いてなかったから

「リシャナ……(ぎゅう」
「むぎ……、マスター、苦しいです……」
「…………、」
「……マスター?」
「……唇」
「んむ!? んー、ぷは……い、いきなりどうしたんですか、本当に……?」
「………………」
「な、なんですか、その目……」
「……何か、言うことは?」
「え! え、えと……?」
「…………」
「……大好き、です?」
「ッハ!! ようやく言ったね!! 足りていない部下に自ら気づきを与えてあげるなんて、ワタシは本当に素晴らしいご主人様だよねぇ!?」
「うぎう、ま、ますた、ぐるじです……!!」

▼(ちょっと騙されかけた)

「暑い……冷たいもの食べたい……」
「…………」
「……マスター、空に行っちゃだめで、」
「却下」
「うう……」
「そんなに太陽の真下で焼かれたいのなら、ワタシがこの場ですぐに焼いてあげるよ。消し炭になるまでね」
「……そんなことして困るのマスターじゃないですか」
「安心しろ。消し炭になったお前でも、大切に保管して肌身離さず持っていてあげるから」
「マスター……、……って、さすがの私もそれは騙されませんよっ……!!」

▼おにゅーってやつ

「ちょ、ま、マスター、とっちゃダメで、」
「ッフン」
「パンツとられた……!!」
「ふむ。やはりこんなものをつける理由がわからないね。これがなくとも、お前の体の貧しさは変わらないと言うのに。……それで? これは見たことがない色だけれど、主人の許可もなく空に行った弁明があるなら聞こうか?」
「なんで色把握してるんですかッ……!!」

▼可愛い水着<全裸

「……で、泳ぐ時に普通の服を着てると水を含んで重くなっちゃうので、水の中でも動きやすい服が発明されたそうなんですよ」
「ふむ」
「その名も、“水着”です」
「…………」
「そして……スカイロフトで今流行ってる女の子用の可愛い水着ってやつを、ゲットしてきましたッ!!」
「……ふぅん」
「これを着て気合い入れれば、苦手な泳ぎの練習にも精が出るはずです!!」
「却下」
「へ、何にですか」
「お前が、それを、着ることをだよ」
「…………え、何故ですか」
「決まっているだろう? お前はワタシの部下で、ワタシのモノで、ワタシに支配される存在だ。……つまり、」
「つまり……?」
「その水着とやらを着る権利は与えてあげない。──ワタシの部下なら、全裸で、やれ」
「…………“ワタシの部下なら全裸”って、逆にそれでいいんですか、マスター……」

▼きっと食べそう長

「リザルって、人間のこと食べてみたいって今でも思うの?」
「ンだよ、食っていいなら指もらうぞ」
「たぶん美味しくないよ、私。大地来てから魚と植物とお菓子しか食べてないから」
「真顔で返答すンなや。飢えてもお嬢は食わねェッての。頼まれても食ってやンねェ」
「えー、そんなに不味そう? 私」
「ちげェよ。……お前が肉として提供されたとしても、食う相手は決まってンだろ」
「……、……なんだか普通に納得してしまってる自分が複雑」

▼何想像したんですか

「マスター……変なネバネバつきました……」
「……近寄ったら蜂の巣にするよ」
「無慈悲すぎますよ! あの植物触っただけでこんなふうになるなんて思わなかったんです!」
「馬鹿犬の愚かな真似に付き合っていられるほどワタシは暇ではないのでね。……ただ、」
「え……っわ! な、なんで手首掴むんですか!?」
「…………ッフ、この光景は、なかなか悪くないねぇ……?」
「なんでちょっと顔赤らめてるんですか!! 私の手についたネバネバ見て興奮しないでくださいよ!!」

▼いつでも見下したい

「マスターマスター、この地図のここなんですけど」
「待て」
「はい?」
「…………(ひょい」
「…………」
「……で、何?」
「なんでわざわざ段差一段登ってまでして高い位置から話しかけたがるんですか……」

▼もてもて

「さて、交渉も済んだことだ。とっとと帰るよ、リシャナ」
「………………」
「……その見るに堪えない顔は何」
「……別に。……あの一族、女の子まみれだったなって思いまして」
「ふぅん。で?」
「……マスター、モテモテだったなと思って」
「ッフン! お前の言うもてもてとやらが何のことだか知らないけれど、ワタシの美貌には全生命がひれ伏してしまうのだよ!!」
「そうだと思います。……ふす」
「……リシャナ」
「なんすか」
「……(ぎゅう」
「なんれほっぺつねるんれすか!! いひゃいれす!!」
「お前がそぉんな態度をとるからだよ。……食べてしまいたくなるだろう?」
「つ、つべた!! 服の中に手突っ込まないでー!!」


次回もお楽しみに!