01
○○はホウエン地方で旅をしたサトシ、ハルカマサト、タケシの4人と別れ新たなる大地シンオウ地方へ旅に出ることにした。
なぜ、次に旅する場所をシンオウ地方にしたかと言うとそこにはら未だかつて見たことないポケモンがいると知りたくさんのポケモンと出会いたいという想いからシンオウ地方を選んだ。
ホウエン地方、カントー地方でゲットした仲間は相棒のジュカインを除いて皆オダマキ博士の研究所でお留守番だ。
少し寂しいが、サトシが新たな大地に行く際はこうしていると聞き自分もそうしてみようと思った。
「シンオウ地方かぁ…どんな場所なんだろ」
今まで一人旅をほとんどしたことがなかったため、不安だが自分にはジュカインがいる。
きっとなんとかなるはずだ。
そうして○○とジュカインを乗せた船はシンオウ地方へと進んでいくのであった。
「やぁっと着いたぁ!ジュカイン出ておいで、ここがシンオウ地方だよ!」
ボールから出たジュカインはグッと伸びをして「ここがシンオウ地方か」とやけにドライな反応を見せた。
全く無関心なんだから。
「さ、ナナカマド博士のとこに行かなきゃ。-ん?」
○○とジュカインの前になんとボロボロのイーブイが現れ―そして倒れた。
「―ナナカマド博士!」
研究所の扉を乱暴に開き、研究員の人らがギョッとした顔で○○を見た。
「ナナカマド博士!?この子が道で倒れていたんです!」
「そうか…事は一刻を争う。君はここで待っていなさい」
イーブイの精密な検査は一通り終わり、ナナカマドに自分がホウエンから来たこと、イーブイが突如現れ大変なことになってしまったことの一連の流れを説明しあとはイーブイの容態が良くなるのを待つことにした。
「あとのことは任せなさい。イーブイは我々に任せて君は旅を続けなさい」
「え、そんな無理ですよ!あんな状態を見たらほっとけません」
「…君はポケモンが進化したらどうなると思う?」
「え?…?」
博士からの唐突の質問に対し、ハテナマークが浮かび上がる。
進化したらどうなるか?
姿形は変わり力も強くなる。進化については未だ謎に包まれているためそういった稚拙な説明しかできないが、あながち間違いではないだろう。
「イーブイを調べたところ、このイーブイは普通のイーブイではない。…もしも悪人の手に渡れば恐ろしいことになるだろう…」
「どういうことですか?」
「このイーブイは信じがたいことに今現在発見されているイーブイの進化系全てに進化出来、バトルが終わるとまたイーブイの姿に戻る。信じられるかね?」
「そんなポケモン、いるんですか…!?」
「先程イーブイを調べた際、たくさんの実験の跡が見受けられた。恐らくは元々は普通のイーブイだったが、実験を重ねた上でこうなってしまったのではないかと推測している」
あれから何時間が経ち、イーブイがようやく目が覚めた。
○○はイーブイに駆け寄ったが…威嚇されてしまった。
「ぶい!ぶぃ!!」
「あ、ごめんね…でもさ、仲良くしようよ」
「うぅぅぅぅ…!」
「!」
信じられないことにイーブイはサンダースの姿に変わり高圧な電気を周辺にバチバチとさせ、激しく威嚇する。
イーブイはかみなりの石がないとサンダースに進化できないのに、進化をするなんて。
「落ち着いて!ほら、ポロックだよ。ホウエンから持ってきたんだよ」
「
ぅ!」
「つっ!」
「○○君!」
サンダース―もとい今度はブースターになったイーブイが容赦なく○○の手に噛みつく。
ボールに閉まっていたジュカインが飛び出した。
「ジュ!」
「ヴぅヴ!?」
突如現れてたジュカインに対し驚いたブースターは今度はグレイシアの姿になりジュカインに標的を変える。
ジュカインに冷凍ビームを放つとジュカインの腕は凍ってしまった。
氷に弱い草タイプのジュカインだが、逃げも隠れもしない。○○と共にイーブイを説得したいのだ。
その姿を見たグレイシアは狼狽える。
―その人間はお前を助けてくれた奴なんだぞ。ここにいる研究員たちは皆お前の傷を手当てしてくれたんだぞ
ジュカインのその訴えにグレイシアは○○を見やった。
ジュカインを心配そうに見つめているが、ジュカインの真意を見抜いているのか。
戸惑うグレイシアにポロックをそっと差し出す○○。
毒はないから安心しな、というジュカイン。少しだけ匂いを嗅ぎ、口に含むと今まで食べたことない甘味が広がった。
「寝ちゃいましたね。イーブイ」
「○○くん。このイーブイのことが世間に公になれば、マスコミが殺到するだろう。
そうなればこのイーブイを悪用しようとする人間も出てくる。このイーブイは研究所で引き取ろうと考えている」
「……そうですね。博士の言う通りです」
確かに、このイーブイのことを知られたらロケット団みたいなやつらに知られたら。
大変なことになる。
だったらここでお別れした方がイーブイのためだ。
少し残念だが、二度と会えなくなるわけではあるまいしまた会いに来ればいい。
「イーブイ」
「…ぶい?」
「起こしちゃってごめんね。怖い思いもさせてごめん。
よかったら残りのポロック食べてね。あ!ご飯もちゃんと食べるんだよ!」
「ぶい?ぶいー!」
「またね、イーブイ」
「ぶい?」
嬉しそうにポロックを食べるイーブイをひと撫でするときょとん、としていたが初めて笑顔を見せた。
しかし背を向け手を振る○○に疑問が生じた。
おねえちゃんどこ行くの?と。
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