長編小説 | ナノ



 Tacitum vivit sub pectore vulnus



]W

全力で手足を動かし深々と黒に染まる森を進み、ようやく教会へ到着した。
薄く降り注ぐ月明かりを受けた景観を目にした途端、自分の息が随分上がっていると気付いた。
胸の苦しさに座り込みそうになりながらも全身で深く呼吸をして倒れ込みそうな体を支える。

体の芯から放つ熱と肺の痛みが軽くなるにつれて、段々と冷静な思考を取り戻す。落ち着いて教会に目を向けると、昼間にしっかりと閉じた筈の扉が子供が通れる程度に開いているのが目に入った。
間違いなくアリスはこの中にいる。

扉の隙間を縫うように体を滑り込ませて中に入ると、外よりも更に冷え込んだ空気が肌を刺す。
一度だけ大きく息を吸うと、静寂の空気が喉の奥を冷やした。

暗い視界で目を凝らせば、二人で過ごした場所に座る背中がひとつ。硝子を隔てて薄らぐ月光が落ち込む先に彼女はいた。
俯いているが起きているのか寝ているのかは分からない。
初めて会った時と同じく無言のまま徐々に近付いて行くが、小さくすすり泣く音が聞こえて体が硬直した。
例え大声で泣いたとて他人に気付かれもしないこの場所で、彼女は苦しそうに声を押し殺している。
人知れず耐える弱々しい背中を目にして、深い後悔に打ちのめされた。
オレは人との別れに慣れ過ぎていて、きっとアリスも大丈夫だと決めつけていた。
「助けて」という心の声に気付けたのに、杞憂だと見過ごしてしまっていたと今更になって理解した。

その後悔は足枷を引きずる心地で足取りを鈍らせたが、引き返すという選択は無い。
席に近づいて隣に腰を下ろすが彼女は椅子の上で体を小さく折りたたむようにして膝を抱えたままだ。
呼吸の度に震える肩は恐らくオレに気付いていない。
手に掴んでいた毛布をそっと掛け、その途端に泣き声はぴたりと止んだ。ただ、全く顔を上げようとはしない。
自分からは声を発さず、ひとえに真横の体へと寄り添った。

「……貴方も。眠れないの?」
明るく作られた声は僅かに掠れていた。頭も項垂れたままで、顔を見せたくないようだった。
きっと声音に合わせた笑みを形取れず、目からは止めどなく涙が溢れているからだろう。
頑なな意思を感じ、本当に自分は来て良かったのかと迷いが生まれた。
「うん。そんなところ……」
君の為に来たとは言えず、平然としている風で答えてみせた。
会話はそれきり途絶えた。それが許容なのか拒絶なのかは分からないが、彼女の側から離れたくなくて、じっと固まったまま傍に居続けた。

]X

「お母さんに……」
暫くの静寂を経て、ぽつりと隣から呟きが聞こえる。
「私の所に戻って来て欲しいって。急に、止まらなくなって」
罪を告白するように、一つ一つの言葉を慎重に述べる声が徐々に震えていく。
「望んじゃいけないって。分かってるけど、でも」
顔を上げないまま紡がれていく言葉は、ぽつりぽつりと滴り滲んで沈む。
「お母さんに会いたいって思うのはダメなこと?」
アリスは弱々しく首を動かして、肯定を示す。その一方で膝を抱える指先に、段々と力が篭っていくのが見えた。
「私がお母さんの自由を奪って、苦しめてた。私のせいで。お母さんはずっと、ずっと耐えて」
「……最期に、お母さん笑ってた。私から離れてやっと自由になれたから……。だから私。一人でも大丈夫じゃないといけないの」

もしかしたら。別れで終わるオレとの出会いが、アリスがこれまで懸命に作り上げてきた壁を壊す原因になってしまったのかも知れない。
きっと今まで幾度となく追い出し防いでいた願いが、心の中に容赦無く流れ込んでいるのだろう。
その感覚には覚えがある。どうやらお互い本当によく似通っているらしい。
自分はその止めどない感情と決別しなければならないが、果たして彼女はそうする必要があるのだろうか。

――きっと。自分自身の心に素直に生きても良い筈なんだ。
母親が不自由に縛られ苦しみに耐えて生きていたとしても、それは彼女の罪ではない。
だから母親と同じ道を辿らなくたっていい。孤独が辛くて仕方がないのなら、声を上げて泣いたって構わないのだ。
破裂する感情のまま叫びを上げたとして、それを咎められる人間なんていやしないのだから。

「お母さんと離れて寂しいって言ってもいいんだよ。それに、アリスは一人じゃない」
ふと夕食の時に聞いた会話を思い出した。現在の保護者とも言えるあの女性。その表情を目に映す事は出来なかったが、心の底から憂いている声音が蘇る。
「君には受け止めてくれる人がいる筈だから……」
「……私に。私なんかに、そんな人いるはずない……!」

しかし彼女は頑なで、それきり扉を固く閉ざしたように黙ってしまった。けれども、それはオレに対する拒絶ではなく、自身への底深い否定に見えた。
膝を抑える指先は、必死に感情を抑え込もうと肌に爪を食い込ませている。これ以上心の内を曝け出さないように耐えているのだろう。
自信を卑下しながらも救いを求め、強く生きたいと願いながら弱さを受け止めて欲しいと希っている。そんな風に映った。

絶望しても、懸命に強く生きたいともがく彼女だからこそ、その思いを受け止めたかった。
「いるよ」
冷えた肩に触れるまで身を寄せ、怯えたように蹲る体を抱き包む。
「ここに、オレがいるよ」
後先も考えずに何を無責任なことを。そう突き放されても構わない。アリスには寄り添う人間がいると知ってもらえるまで、何度でもこの意思を送り続けるつもりだった。

肩に回した手を引き寄せると、頑なな体勢はほろろぐように容易く解けた。
膝を抱え込んでいた腕は、躊躇いが勝っているのか控えめに此方の背に回るも、慎ましく添えられるだけでアリス自身はオレに体を寄せては来ない。
アリスが持つ傷の深さを前にして、自分が彼女を救うには足りないものが余りにも多いと痛感した。けれども、腕の中で震えている彼女にどうしても伝えたい。
「自分を愛することを怖がらないで」と。

彼女が唯一心を寄せる母親なら、どうやってその心を癒せただろう。そう思い描いた時、無意識ながら彼女をあやすように口ずさんでいたのは、出会いの日に教えてもらった歌だった。
――そうか。あの歌は。アリスのお母さんは……。

彼女は少しずつ歌声に歩み寄るように腕の中に身を寄せ、首元に頭をしな垂れかけた。
オレは小さな重みを招き入れ、指通りの柔らかな髪を包みながら抱く。
そして、応えるようにアリスの腕が背に強く縋り付いた。

最後の一節を終えて仄暗い空間が音の余韻を吸い込んだ時、もう泣き声は聞こえなくなっていた。
腕を解くと彼女は此方に寄せた体を引きゆっくりと顔を上げ、濡れそぼつ静かな涙の姿を見せてくれた。
過去を偲ぶように睫毛を伏せ、ひと粒、ふた粒と溢れた後、涙が止まる。

「この歌。好きなんだ。素直になってもいいって言ってくれてるみたいでさ」
アリスは静々と目を開き、縁を雫で濡らしたままこちらを見つめ返す。その面持ちはしっかりとオレの言葉を聞き入れてくれている。
「もしかしたら、アリスのお母さんがそんな願いを込めてくれたからなのかも」
続けた言葉に彼女は否定も肯定もせず、ただその意味を知りたそうに待っていた。
「……君のお母さんは幸せだね」
その一言への否定が顔に浮かび、交わる視線が途切れてしまう。

それでも口を閉さずに続けた。どれ程否定されても、それは間違いないのだと確信を抱きながら。
「離れたってこんなに大事に思われてる」
「だけど。私は、何もしてあげられなかった」
「そんなことない。アリスがお母さんを大切に思う気持ちは伝わってたし、君と出会えて幸せだったって。きっとそう思ってくれていたよ」
本当にそうだったのかと問うような、遣る瀬無い眼差しが向けられた。
「この歌を思うと、一つだけならオレにも分かるんだ」
重なった視線をそらさずに無言の問いに答える。
「お母さんはアリスのために笑ったんだろうって」

オレには彼女の母親の思いや願いは分からない。
けれども、悲壮に囚われた瞳を前にして向けたのは笑顔だった。
どうか、アリスに笑顔で過ごせる幸せな時が訪れるようにと願いを込め、自然に浮かんだ表情がそれだった。
きっと、彼女の母親もこの瞳を見つめながら同じことを願ったと、歌が教えてくれた。

赤らんだ目の縁に雫が溜まり出し、じきに留まりきれなくなって零れ落ちた。
外れかけた箍を取り繕うとした様子で悲痛そうに目を細めるが、涙は繰り返し同じ軌跡を辿って頬を滑り落ちていく。
両手を差し出すように広げると、アリスは愛らしい顔を苦しげに歪めて抱きすがった。本心をさらして幼子のように哭泣する体を包み込む。
その姿に安堵を覚えながら、泣き止むまで彼女の慟哭を受け止めた。

]Y

はたと気が付いたとき、目を開けると間近にあどけない寝顔があった。
――アリス……?良かった。もう泣いてない。
眦に疲労めいた影が映っているが、目の前にある面持ちはとても安らかで大人しい寝息が聞こえてくる。安心して再び目を閉じようとしたが、瞼に差し掛かってきた光に気付かされる。
――……ってあれ、朝!?

はっきりとしてきた意識で昨晩の記憶を整理する。
アリスが泣き止んでからも暫く互いに体を離さずにいたのだが、そうしている内に泣き疲れた彼女がいつの間にか眠ってしまっていた。
起こすのも可哀想で、かといって抱えて宿まで戻れる自信も無く。
そもそも、眠りながらもアリスは確と抱き着いたままだったので、自然に目を覚ますまでは折角の安眠を妨げないようにしようという結論に至り、互いに身を寄せ合ったまま椅子に横になった。という所までは覚えがある。
けれどもその後から今までの記憶が完全に抜けている。詰めが甘いことに気を抜いて自分も眠りに落ちていたのだった。しかも彼女を抱き締めたままで。

すると腕の中の細い体が身じろぐ。離すべきかと逡巡している内に、うつらうつらとした瞳がその中心にオレを映した。
しどろもどろしながらオレは口を開く。
「あ、ええと。おはよう……」
「おは、よう?」
アリスはまだ寝ぼけているのか、目を細めて焦点を合わせながら目の前の人間が誰なのかを確認している様子だ。
「…………え」
正しく互いの視線が交わった直後。その顔はみるみる内に紅に色付き、慌てて起き上がった。それにつられて自分も体を起こす。
「私、どうして」
「ごめん!オレ、いつの間にか寝ちゃってて。それで気づいたら朝で」
「あ……謝らないで。私こそ一晩中つき合わせて、迷惑かけてごめん……」
二人揃って起き上がり椅子に座り直すが、ほんの数十秒前までは見せてくれていた彼女の無防備で穏やかな表情は影を潜め、自己嫌悪じみた陰りが映りだす。
彼女がいつも胸に抱きながら隠し通してきた本当の表情がこれなのだろう。
こんな風に感情を表に出してくれるようになったのは正しいことだろう。しかし、彼女は自らその胸の奥を無闇に淀ませているように思えてならない。

「オレ。ここにいる時のアリスが好きだよ」
「……好き……?」
考えなく口走った言葉に、彼女は目を瞬かせる。

自身が好きになれなくてすぐに一人閉じこもり追いつめてしまう。それが彼女の気性なのだと解釈した。
だから自分自身に素直になって好きになってあげたらいいのに。と思ったのだが、どうやらその思考が私情と混ざり妙な集約を経て口から出てきてしまった。

「好きっていうか。えっと。だって、普段のアリスは、ずっと無理して笑ってたんだって分かったから」
弁解しつつ、改めて伝えたい意図を手繰り寄せるように整理する。
「初めて会った時の寂しそうな顔も、昨日の夜の辛そうな顔も、ここでしか見せなかったでしょ?」
「うん……」
「寂しいのを隠して笑いかけられると、オレも寂しいんさ」

……また個人的な情を出してしまった。特に気に留めないでいてくれるかと期待したが「どうして」と驚きを内在した瞳が真っ直ぐ向いていた。
ごほんと態とらしく咳払いをして、話の逸れを正す。
「じゃなくて。誰も困ったりなんてしないから……だから、もっと自分の気持ちに対して素直になっていいんだよ。そっちの方が皆も嬉しいんじゃないかな」
アリスは告げられたものを飲み込むように瞼を落として表情を柔げた。

「貴方は、優しいね」
目が開くと同時に浮かぶ優しく微笑む顔には、見たことのない心情の色が混じっていた。
「辛くなると、この教会に来て一人で泣いてた」
「……だけどね。貴方と出会って、不思議と自分の気持ちが段々出てくるようになって。気付いた時には止められなくなっていて……」
次第にその瞳は透明な輝きを宿しながら瞼の縁に涙を湛えだした。けれどその面持ちは淀みなく穏やかなままだ。
「だから本当は、ここでずっと貴方を呼んでた」

潤む目が灯すその色は初めて見たように思えたが、そうではなかった。
初めて会った日、不意に彼女が見せた嫋やかな眼差しとよく似ているのだ。しかし今彼女が浮かべる色はあの日よりも一層鮮やかに映っている。

「来てくれて、ありがとう」
そう言って一粒の涙を流しながら微笑む姿は、オレが見てきた景色や人々とは異なる世界のもののようだった。
けれども手を伸ばせば簡単に届く場所にあるのだと、雫を拭った指先が教えてくれた。

]Z

「ちょっと安心した」
「安心って?」
「アリスは、もしかしたら人じゃないのかもって思ってたからさ」
「お化け、とか?」
「うーんと。聖母とか、……神の子供。みたいな存在?」
腕を組んで悩みながら適切な表現を探してみる。アリスは目を丸くして不思議そうにしていた。

……初めは人ならざる存在であることを期待したものの、年相応の子供だと分かって落胆さえしていたというのに。
寂しいとか悲しいだとかを人並みに思い悩む姿が嬉しくて、同時に安堵した。
自分の心は裏腹だ。人間に失望したと思っていたくせに、目の前の彼女が間違いなく自分と同じ人の子であると知って、こんなにも心が安らぐ。
……本当は、どこかで人間に失望したくはなくて。人は愚かだという考えを否定する存在を求めていたからこそ、アリスに惹かれていたのだろうか。

「面白いこと考えるんだね」
「結構真剣に悩んでたんだよ」
笑みを溢す彼女にふてくされる仕草を見せる。
「ごめんごめん。でも貴方にそう言われると、いつかそんな存在に少しでもいいから近付きたいって、前向きに思えるね」
「なれるよ。アリスなら」
はにかみに向かって強い自信を込めて告げると、その面持ちがいたたまれなさそうに赤らんだ。
「それは、ちょっと褒め過ぎだよ……」
「嫌だった?」
「違うの。……その、人に褒められるの、慣れてなくて」
「だったら、もっと沢山褒められて慣れたらいいよ」

不快ではないのなら、これを機にもっと自信を持ってもらうのに丁度良い。
それなら次は……と、まじまじと見据えて褒めどころを吟味し出した矢先、此方に向かって手が伸びてくる。
「あんまり見ちゃだめ……」
アリスの手の平がオレの視界を遮る。瞼に触れる温かい両手に手を添えた。掴んで軽く力を入れるとすんなり退かせたので、了承を得るように顔を覗き込む。
観念したように彼女は面映そうに微笑んだのだった。

][

「でも。もう戻らないとおじいちゃんが心配するんじゃない?」
「そうだった……!今、何時?」
彼女を褒め倒すという作戦は、残念ながら時間が許してくれそうになかった。
まだ急いで戻らなければならない時刻ではなかったが、これ以上ゆっくりと話をしている余裕もない。
懐中時計の針を二人で眺めながら、切なくも示される現実を受け止めた。

「じじいのことだから多分まだ寝てるだろうけど、そろそろ帰った方が良さそうかな」
幸いと言うべきか、朝に弱いあの記録者は毎朝自分が起こさない限りいつまででも寝ている。とはいえ余りに遅い時刻になると何かあったと勘繰られる可能性もあったし、何より出発に支障が出てしまうかも知れない。

「私、もう少しだけここに残るよ」
「え……。戻らなくて、いいの?」
一緒に帰るものだと思い込んでいたので予想外だった。
「うん。早く起きすぎちゃって外を散歩してたって言うつもり」
その表情には、自身を粗末に扱う気配は感じられない。
それでも彼女を一人この場所に残して去るのは気が引けた。
「安心して。一人になったからってもう昨日みたいにはならないよ」
オレの心配を読み取ったらしく、アリスは目を細めて笑う。赤く僅かに腫れた目元が不釣り合いな笑顔だった。

「あのさ。アリスの本当の声を聞きたいと思っているのは、オレだけじゃないと思うんだ」
いつか、彼女自身に気付いて欲しい。自分が答えに近い場所へ導くのは簡単だけれども、それは彼女の為にはならないような気がしていた。
家族のように想ってくれる人と互いの意思で歩み寄らなければならないと思う。だからそれ以上は言えなかった。

「今なら、そうだったら良いなって私も思う」
オレの心配を吹き消すような少し誇らしそうな面持ちで彼女は言った。
自分の存在が彼女の自信に繋がる小さなきっかけになれた。そんな気がして胸の奥から熱が溢れ出す。
そして、オレが出来ない事をまるで彼女に託しているような希望さえ抱いた。
きっともうアリスは大丈夫なんだ。と心から安堵した。

「……。目、少し腫れちゃったね」
別れを名残惜しく思っているのはオレの方だった。
最後の足掻きのように彼女の右目の眦に指先で触れた。冷えた指先に反してその肌は熱を帯びていた。
すると彼女は触れる手に向かって首を僅かに傾け、目を閉じた。
「手、冷たくて気持ちいい」

せがまれていると錯覚したこの指は、そっと閉じられた瞼の上に重なる。
けれども、すぐに彼女の体温と混じって生暖かくなってしまった。
「これじゃ、全然熱冷ましにならないなぁ」
「いいの。貴方が触ってくれるだけで、すごく安心するから」
伏した睫毛が作る陰りが、もっと側に来ても構わないと許してくれている気がした。

アリスの頬に手の平を当てて、寄り添い合うように彼女の額に自分の額を近づけた。互いの髪が触れ合う感触が柔らかくて少しくすぐったい。
手の平と額から伝わる彼女の熱が、肌を通して溶け込んでくるようで、人のぬくもりを直接感じる心地良さを初めて知った。
――また、しばらく忘れられそうにないものが増えた。
しかし、それはこれからの旅路において、せめてもの慰めの記憶として残るのだろう。

何も映らない視界を彩るように小さな囁きが聞こえた。
「貴方に会えて良かった」と。

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