▼ ヤキモチ(現パロ?)
「それでね、課長と後輩くんと飲みに行くことになっちゃった」
「へぇ、いつ?」
「明後日。会社の近くのダイニングバーだって」
「そうなんだ。楽しんできてね」
「ちなみに……課長も後輩くんも男性だよ?」
「うん。よく話に出てくる、仕事ができて人としても尊敬できるっていう課長さんでしょ?確か後輩くんは大学が一緒だったんだよね」
「うん、そうだけど……」
「……カカシは、彼女が他の男と飲み会とかしても、あんまり気にならないの?」
「だって、二人っきりってわけじゃないでしょ。」
「うん、まぁ、そうだけど……」
「仕事関係の人だし、気にならないよ」
「……ふーん」
「なんか不服そうだね」
「べ、べつに。ただ、カカシってあんまりヤキモチとかやかないんだな〜って」
「……その飲み会は俺に対してやましいことなんてないんでしょ?」
「うん。あるわけが無いよ」
「顔見てたらわかるよ。それに、信じてるから」
「うん……ありがと。」
「……」
「でも……たまにはヤキモチやいてほしいかも……なんて」
「ぷっ」
「ちょ!なんで笑うの!!」
「いや、かわいいなと思って」
「なっ……」
「実際、俺にヤキモチ妬かれたら困ると思うよ」
「えー?そうかな」
「そんな飲み会行くな!って言われたらどうするの?」
「うーん、それはまぁ困る、けど」
「……ほんとは俺以外と遊んでほしくないって言ったら?」
「私、男の人と二人で遊ばないもん。遊ぶほどなかいい男友達もいないし」
「男だけじゃなくて」
「え?」
「女の子とも二人で遊んじゃダメだよ。
二人で遊んでいいのは俺だけ。
美味しいものを食べるのも楽しい場所に行くのも全部、俺とすればいいでしょ」
「……それって、もしもの話だよね?」
「ほら、困った」
「や、困ってないけど、……いや、女同士でもヤキモチ妬かれたらちょっと困っちゃうけどさぁー」
「……嘘だよ」
「うん。そうだよね。嘘だよね」
「じゃなくて。気にならないよっていうのが嘘」
「……え?」
本当はいつも。
「遊びにいってくるよ」とか「飲みに行ってくるよ」とかいわれるたび、笑って、「楽しんできてね」って言ってるくせに眉間にしわがよってしまう。
「全然気にしてないよ」「大丈夫だよ」「楽しんできて」これはもう性分だ。
本当はせっかくの週末や休日はできるだけ一緒に過ごしたいとか、、、言えば重たいでしょ。束縛はしたくない。
ま、男は強がるくらいがちょうどいい、なんて事を、ぐちゃぐちゃ考えてる自分が女々しくて嫌になる。
「カカシ?」
どうしたの難しい顔して?
聞いてくる彼女の顔も難しい顔になっている。俺の表情がうつったんだろう。
「……なんでもないよ」
そういって笑えば、ほっとした顔になる。
悪く言えば単純でよく言えば純粋で、そんなところがどうしようもなく好きだとか愛しいだとか、たまにどころじゃなくいつもヤキモチやいてるとか、余裕ぶってるけど他のやつと楽しくすごすなんて正直面白くないだとか、絶対教えてやんない。
「まぁ、俺からひとつ言えることは」
「うん?」
「裏の裏を読め。」
「……なにそれ?」
「読めなくてもいいや」
「あ!?なんかあきらめられた!?」
「くくっ……」
「また笑ったー!」
とりあえず明後日は朝から体調が悪くなることに今決めた。はやく帰ってきてよ。
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強がるカカシさん。
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