考察・スナイパー尾形とマタギ谷垣&二瓶の銃を撃つことに対する意識の違い
〔ゴールデンカムイ〕
23rd.Jun.2018
ゴールデンカムイ
163話/29号アオリ
予告:
次号、勃起!…とはいわない。
「勃起!…とはいわない」のは、尾形またはヴァシリだと思われる。
尾形は人間の敵を殲滅するのが身上のスナイパー、
二瓶や谷垣は山で獣を狩って生きるマタギ。
ともに元猟師ではあるが、二者のアイデンティティはこのように異なる。
スナイパーである尾形は、
ウィルタに同行したトナカイ狩りでトナカイの群れを全滅させた。
それは、戦場では敵兵を撃ち漏らすことが自分の死に繋がるから。
しかし、猟師である二瓶や谷垣が同じ状況にあったら、
群れを殲滅することはなかった、と思う。
人間の敵兵と異なり、人間を積極的に襲うわけではない
動物相手にそうする必要はないし、
群れを全滅させたら、その後は狩るべき対象がいなくなり、自分たちが困るから。
生業として獣を撃つマタギである二瓶や谷垣は、
狩りを自分と獣との勝負だと考えていて、
狩りそのものや銃を撃つ行為に際して「勃起!」と言う。
また、アイヌの男として狩りを生業にするように
なるであろうチカパシも、彼らの精神を受け継ぎつつある。
しかし、スナイパーである尾形(やヴァシリ)にとっては、
銃で"獲物"を撃つという行為がマタギと違う意味を持つ。
だから尾形(やヴァシリ)は「勃起!」と言わない、のだろう。
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