その後/京流




るきのメンバーがいる居酒屋に行って、少し話して先に帰って来た深夜。
適当にシャワー浴びて、布団の中入って睡眠。
…うん。
こん時ばかりは、眠りが浅いん恨んだわ。


「京さーん、ただいまでーす」


ガチャガチャと乱暴に鍵を開ける音と、靴を脱ぎ散らかす音。
ほんで、最上級に能天気な声と共に寝室へと駆け寄る足音。

うっさいわアホ!
寝られへんやろ!!

えぇ感じに出来上がったらしいるきのアホは、普段なら絶対せぇへんけど理性がブッ飛んどんか、「京さん京さん」と声を上げながらベッドへと乗り上げた。
けど眠いから無視。


「京さんただいまー」
「……」


布団剥いで抱き付いてきよった。
スウェット越しに、るきの身体。
外の空気を纏っとった服は冷たい。


「…ちょぉ、うっさい寒い死ね!!」
「う"…ッ」


ほんまムカつく。
寒かったから目ぇ覚めてもた。
力任せに適当にるきの身体を足で蹴ったら、変な声出して来た。
けどまだ纏わりつくしコイツ…。

ってか今何時…。

手だけ伸ばして頭上に置いた携帯を探す。
時間は深夜3時前。
チッ。
二度寝したら朝起きれるやろか。


そんな事を考えて、中途半端に起こされた事にイラ付きを覚えて抱き付くるきの腕を振り払う。
また「京さーん」抱き付く。

欝陶しい。
お前時間考えぇや。
つーか酒臭いくっつくな。


「おい、離れろ」
「京さん俺ねぇ、カラオケでUROBOROS歌って来たんですけどー」
「話聞けやこのアホ」
「でもやっぱ京さんの声が最高です。あの歌は、京さんでしか再現出来ねぇ」
「何今更当たり前な事言うとん」
「…京さんの匂い…」


あー…もう。
何かコイツと話噛み合わんし。
鼻擦り寄せてきよるし。
段々と僕の体温奪ってって、るきの身体もあったかくなってきよるから、振り払っても無駄やから大人しくそのままにさせたった。


「メンバーにも、京さんと幸せにって言われて、嬉しかったー…」
「ふーん」
「すっげぇ幸せ…」
「るき」
「んー…」


そう言えば昔コイツ、僕に会うなって言われとったんやったっけメンバーに。
僕とメンバーとの間で、譲られへんモンやったから辛かったんやろな。
メンバーに言われる事が。

少し、るきんトコのリーダーと話した会話を思い出す。

ほんま僕に意見しよって。

それ程るきの事が大事やって事で。
ちょっとメンバーと飲む言うから、るきってメンバーの前ではどんなんやろって思って気紛れで行ってみたけど。

何や別の収穫あったし、えぇか。


「京さん好き…大好き」
「るーき」
「んー?」
「お前、メンバー大事にせぇよ」
「わかってますよーメンバーの事も好きですから」
「ま、そやろな」


お前はそれだけメンバーに愛されとるわけやから。

もう完全に目ぇ覚めて、意識がふわふわしとるやろうるきにちゃんと向き直り。
髪を撫でて唇に触れるだけのキスをする。
そうすると一層強く抱き付かれる腕。

嬉しそうな顔しよって。
お前服も着替えんと寝る気か。

僕を起こしたんやから、寝れると思うなよ。


身体を起こして、るきの身体を押し潰すように上に乗り上げ、噛み付くようにキスをした。
舌を突っ込むと酒独特の、味がした。


「ぁ…きょ、さん」
「飲み過ぎやろボケ」
「ん…ッ」


舌に噛み付くと、ピクッと身体を震えさせるるきの服ん中に手ぇ突っ込むと、あったかい。

組み敷いたるきを見つめながら、ぼんやり考える。



何のわだかまりも無い、るきのメンバー内が、少しだけ羨ましかったから。



それを払拭する様に、るきが漏らす声に集中する。

もう寝られへんから、朝まで寝かせへんで、るき。




20090126

[ 41/500 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -