私たちは、近藤さんの部屋に居た。

「こりゃまた、荒れ狂ってるねぇー」

部屋を見渡すと、服や食べ物や雑誌や…
とにかく、一人暮らしの男の部屋っていう感じだった。

「どこから、手をつける?」

「ここはお互い協力して、まずは服からいきやしょう」

そーごは足元に落ちていた、服を摘んだ。

「洗濯はこっち、排除はこっちで頼みますぜィ」

「あーい」

私は返事をして、服を掴み始めた。
袴をなるべく避けて…


「なんか微妙にオッサン臭しない?」

「微妙じゃありやせん」

そーごは服をポイポイと投げていく。

「そーご…一つ言っていい?」

「何でィ」

私は改めてその現場を見た。


「袴、全部排除じゃん」

見ると、部屋にある袴はすべてゴミ袋の中に入る予定になっていた。


「お前が手を付けないから、やってやってんでさァ。文句言うなィ」

「はい、すいません」


…、近藤さんの袴はすべて汚物という事だろうか?


「菜々、何やってんでィ?」

「ん?食べ物の差し入れだよ」

「全部バナナじゃありやせんか」

「だって、近藤さんが一番喜ぶと思って」

「なら、コレも加えて置きなせェ」

「これ、メスゴリラのぬいぐるみじゃん」

「近藤さんも、お年頃だ。こういうのも必要でさァ」

そーごがそう言って渡してきたので、私はそれをソッと畳みに置いた所で…



ダダダダダッ



部屋に飛び込んできたのは…



足に包帯を巻き、マヨネーズだらけの刀を持った…





「そーごぉぉぉぉっ!!!!菜々ァァァァ!!!!!」


土方さんだった。



「そーごっ!逃げるぞ!」

「おう!」









ある時、ある日の大掃除。




fin.





(誰か、袴貸してぇぇ!!!)
(どうしたんですか?)
(全部捨てられちゃってないんだよぉ!!)


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