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「菜々、膝枕してくだせィ。」




沖田に連れられきた菜々は今、彼の自室にいた。

隣には連れてきた張本人が座っている。





「え…?なんでですか?」




「……耳かき、…」





沖田はそれだけを言うと、机の引き出しから取り出してきた耳かきを菜々の手に押し付け、正座している菜々の足に頭をのせた。






「………勝手すぎませんか…?私、まだ怒ってるんですよ…」





そう文句を言う菜々だが、しぶしぶ沖田の耳の中を掃除し始めた。







そして、しばらくすると、ふと沖田が口を開いた。






「…………あんたの反応が良すぎるのがいけねー……っつ!!何するんでィ!!」




「あら、…ごめんなさい、つい。」





さっきのいたずらに関してだと思われる発言に、菜々は耳かきを奥に突っ込み、そして、耳の痛みに驚いて頭をあげて睨んでくる沖田に菜々はニコリと笑って答えた。





すると、沖田は黒い笑みを浮かべる菜々を引き寄せて自分の腕の中に納め、再び口を開いた。





「………それ、に。いつまでたっても、沖田隊長って………。……いつも、…土方さんのところばっか行くし……」




その言葉に菜々は一瞬、目を丸くさせるとクスリと笑った。




「ふふっ、」





「何笑ってるんでィ…」





「だって、」





そこまで言うと、菜々は見上げて沖田の顔を見た。




「言ってくれればいいのに…って、ちょっと可笑しく思いまして。」




「……少しは察しなせェ。」






沖田はそう言うと、菜々にそれ以上反論させないように唇を塞いだ。







そして、ゆっくりと唇を離し再び菜々の足に頭をのせた。






「耳かき………続きして下せェ。」





「……無茶苦茶ですよ、総悟………」




菜々がボソリと言うと、自分の膝上にある蜂蜜色の髪の毛の間から赤くなった耳が見えた。




「っ、るせーやィ。早くしなァ。」




「クスっ、はいはい。」




恥ずかしいのか、そんな事を言う沖田に、菜々はクスリと笑った。











そんなある日のお昼頃
(総悟、終わりましたよー……あれ?)
(スー……スー……)
(寝ちゃってますね)




((この日以来、菜々へのいたずらは減ったそうな))
((菜々への、いたずらはね))











2009.September.22 cherrybe


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