ネタバレ | ナノ


【くれまい】怜き女

【通称】前世編
【時代】戦国時代
【登場】怜、太助、たいち、裏京子
【一言】閉鎖的な村で苦労する女の人の話。

ある所に?怜?という美しい武家の娘が居た。
家族や友人に恵まれ、穏やかな日々を送っていたが、ある日敵の軍勢が怜の居る領内に攻めこみ、全てを失う。

怜自身も敵に追われ逃げていたが、絶体絶命というところで?太助?という男に救われる。彼は山間にある小さな村の頭で、怜を保護した後村へ連れて行き、自分の家の離れに住まわせた。
それから怜は村で暮らし始める事になる。

しかし、憔悴しきっていた怜を待っていたのは、余所者を受け入れず、冷たい態度で接する村人達だった。どういうわけか、その村では昔から余所者を歓迎しない習わしがあり、太助自身も村の頭でありながら頭を抱えていた。
何とか苦しむ怜を励まそうと、太助は毎晩怜を外へ連れ出した。始めの内は暗かった怜も、太助の優しさに段々と心を開いていき、いつしか二人は互いを想い合うようになる。

その後も、村人達に気付かれないように逢い引きを続け、やがて二人は想いを告げる。それをきっかけに、太助は正式に怜を自分の妻にする事を周囲に伝えた。村人達は当然反対したが、それを押し切り祝言を上げた。
そして怜は頭の妻として、太助の家で生活する事になる。

怜が太助の家で暮らし始めてから暫く経った頃、怜のお腹には子供が出来ていた。しかしストレスからか死産してしまう。悲しみに暮れる怜と太助だったが…

*

怜のお腹に再び子が宿る。その子供は無事に産まれ、その元気な男の子は?たいち?と名付けられた。
たいちは病気をする事も無く、すくすくと育った。

それから数年後、太助は病に倒れてしまう。怜は必死に看病を続けたが、虚しくも太助はその年の内に死んでしまう。
太助は遺言に、太一を次の頭にすると残したが、認めようとする者は居らず、怜親子はとうとう家を追い出されてしまう。
そして、二人は村の外れにある、小さな家に引っ越す事になった。少ない食料とボロ屋で貧しかったが、それでも親子で一緒に居られて怜は幸せだった。

*

時は流れて冬になり、蓄えている食料でしのぐ季節になった。
しかしその食料の減る速さが異常だった。
もしや盗まれているのでは?と疑心暗鬼に陥った村人達は、真っ先に怜親子を疑った。
もちろん親子はそんな事はしていなかった。

*

ついに山賊が村を襲い、たいちは以前から見付けていた隠し道に村人達を避難させるが…?また、怜も得意の薙刀で応戦するが…

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