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誰もいない部室でツムくんの大きな手が私の頬を包み、優しい手つきながらも強引に顔を上げられる。
力強い視線に射抜かれて身動きが取れない。


「かわええなあ……なんやもう(名前)は可愛いすぎとちゃう?」
「ツ、ムくん……あの、え…?」
「(名前)の事、ほんまに好きや」


おでこがコツンと当たり、互いの息が近くに感じる。
私の頬に添えられている手に力がもの凄い入っている訳でもないのに頭が動かせない。
一歩下がるとツムくんも前に踏み出して来て、それを繰り返す内に背中がロッカーにぶつかった。
左腕が私の腰に巻き付いて、右手は中途半端に持ち上がっていた私の左手にするりと指先を絡めて顔の真横に縫い付ける……おでこは合わさったまま。


「なぁ、(名前)は知っとるやろ?俺らがほんまに気に入ったものは共有してること。今でもちゃんと共有してんの……、バレーと(名前)だけやで」
「……え、あ……う、ん」
「でもそれだけじゃ足りないねん。もっとってワガママになる。(名前)には俺らがいないとダメな女の子になってほしい……そんで、(名前)の誰にも見せた事ない深ーいとこまで俺らに教えてや?」


……こんなツムくん、知らない。今まで見たこともない。
何というか、ツムくんの醸し出す空気とか全部が甘すぎて飲み込まれそう。
私は今ツムくんに全てを支配されているような錯覚になっている。緊張、している。
それを感じ取ったのか、おでこに唇を落として満足そうに笑った。
それを、どことなく客観的に見ていたらツムくんの顔がさらに近付いて……唇同士が合わさった。


「ん……っ!?」
「はぁ、柔らかっ……(名前)もっと……」
「ぁ、ふ……んん〜」


何度も合わさる唇に息が出来なくて、絡まっている指に力を込めたら意図が伝わってなくて……より深く唇を合わせてくる。
時折、下唇を吸われたり舐められたり……もうキャパオーバーだって思ったら腰が抜けて立っていられなくなったところをツムくんが簡単に支えてくれた。
支えられなきゃ立っていられない私を見てツムくんが舌舐めずりをしながら楽しそうに笑う。


「今(名前)にちゅーしたんは誰?(名前)は今誰と初ちゅーしたのか教えて?」
「つ、ツムくん……」
「フッフ。せやなあ、俺やな……(名前)の初めては全部俺が貰うで。絶対(名前)の処女は誰にも渡さへん。でもアイツに今日俺が(名前)とちゅーした事バレたらがっついて来るやろな〜……あぁ顔真っ赤になってもうた」
「だっ、てツムくんが」
「かわええ……!そんな蕩けた顔見せられたら止まらなくなるやん」


両腕で抱き締められて、また唇を塞がれた。
それから首筋に鼻を押し当ててすりすりしてきたり、弱く唇で触れてきたり……いつもされていたスキンシップがツムくんにちゅーされた後だととてつもなく恥ずかしい。
顔を左右に振って逃げようとしたら、首筋に濡れた感触がしてちゅーっと音を立てながら思いっきり吸い付かれた。


「え、いま……え?ツムくん!?」
「(名前)は俺のやって印。逃げたらアカンよ」
「っ……逃げ、てない」
「今は俺らに愛されとってな?……まぁいつかは俺だけを選ばせるから覚悟しとき」



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