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赤い花が散った。


手から溢れたそれを見て、「ああ、血か」と思った。


手に力が入らない。


まるで、身体の感覚が麻痺している様だった。


その場に倒れると、斎紫は朧な意識の中、名を紡いだ。


「斎紫様?さーーー。斎紫様っ!?」


誰かが悲痛な声で自分を呼んでいる。


僅かだが、身体を揺さぶられている様な気がした。


うっすらと目を開けると、そこには目に涙を溜めた季雨がいた。






「風早様―――」





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