海音寺紬。カイオンジツムギ。

俺の実の妹。俺と同じアルビノカラー。伊達っぽいけど伊達じゃない赤ぶちメガネ。若干パッツンの入ったロングヘア。黒と白で揃えられた衣装。見た目からも俺の妹と言えば、確かにそう見えるのではないだろうか。
ただし性格は俺とは違う。一言で言い表すと、ドジっ子だ。
ドジっ子メガネとはまた盛っている設定のようだが、更にメガネを外すと性格が変わるといった二次元から出てきたような性格の妹なのだ。属性盛りすぎだ、この妹。つまりまとめると「ドジっ子メガネ(ただしメガネを外すと性格が変わる)兼お兄ちゃんが好きな妹属性」の紬だ。どうか仲良くしてやってほしい(俺は誰に向かってこの文章を書いているのであろうか)。
最初灰音さんは俺にくっついてくる紬にムッとしていたようだが、俺がわざとらしく紬を可愛がったのもあるだろう、カラーリングの似ている赤の他人だと思い込んでいたらしく、血縁関係だと言ったときはどこかホッとした顔をしていた。……ような気がする、もしかして俺の妄想だろうか。最近どこが妄想で、どこがこの次元の出来事か分からなくなってしまうのは、やはり悪い癖だ。
紬が俺のことを好いてくれているように、俺もまた実際紬のことは普通に家族として好きなのである。ただ禁断の愛とかはおそらくないし、紬もそこまで俺のことを見ていないとは思う。

「なに、紬、俺のことがそんなに好きか」
「好きー! 雫兄のことは世界で一番・・・・・・」

ここでハッとしたように紬は言葉を噤む。何かと思えば、また直後に閃いた顔をして言葉をまた続ける。

「ハイネさんが雫兄のこと世界で一番好きだろうから、私は雫兄のことを世界で二番目に好き!」
「!?」

灰音さんが突然自分の名前を出されたことに驚いている。そりゃ脈絡もなく俺と惚気られていることにされていたらビックリするだろうな・・・・・・。

「あー・・・・・・、つまりアレ? 俺を世界で一番好きなのは灰音さんで、俺を世界で二番目に好きなのは紬?」
「そう! そういうこと!」

俺の妹とは言え歳は五つ離れているのだ、まだどこか子供っぽいところは抜けない。そしてドヤ顔している紬の隣で、今回紬の保護者役である戒人がくすくすと笑っていた。なんか恥ずかしい。

島崎戒人。シマザキカイト。

俺にコント・ド・フェからの招待状を渡した腐れ縁の男。金髪赤目。ひし形のピアス。丈の長い黒いコート。彼とはサンドリヨンに入る前から知り合いだったので、まあ腐れ縁が一番しっくりくる間柄かな、とは思っている。来夢さんと縁さんのようにそこまで昔からつるんでいるわけではないが、彼とは中学の頃から一緒だった。何度か俺の家に遊びに来ていたし、逆に俺が戒人の家に遊びに行くこともあった。


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