断片的な僕の語りもそろそろ中盤に差し掛かってきました。
序章に続いて今度は断章をお送りいたしましょう。
序章が少し長かったのではないかと思うかもしれませんが、心配ありません。ここからの展開は一気に加速することになるでしょうから。

漢字辞典で調べてみると、『章』という漢字には明らかにするという意味があります。
これから明らかになるのは人間のエゴの話かもしれませんし、人間の思い上がりの話かもしれませんし、人間の堕落の話かもしれません。
いや、そんな大袈裟な話ではなく、単に僕―――堺竜樹の過去の話ではあるのですが。
噂話が憚ることでさえあまり皆さん体験しないようなことなのでしょう?
それを僕達は一生のうちにおそらく何回もこの身を持って体験することになるのでしょう。
楽しいですよ、だってゲームよりももっとリアルなスリルが味わえるんですから。
それでも全部が全部いいことばかりではないですが。
例えば今回の事件の結末とか。
暴君と呼ばれるとか。
いや、これに関しては今では大分もう慣れてしまいましたが。
さて前置きはこの辺にして、続きを語りましょうか。

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