お呼ばれ




闘技場を去った後、追いかけてきた童虎さんと聖域探索を再開した。
そのあとは特に何も起こらず、ただ平和に探索が終わっただけだった。


「そろそろ戻るかの」
「うん」


あらかた見て回ったのだが、黄金聖闘士はアスミタさん以外会わなかった。
童虎さんいわく、12人いるらしい。


「奴らも任務でここを開けていることが多い。
 機会があれば会えるじゃろうて」
「楽しみにしてますね!」

流石に十二宮の階段を上り切る体力は私にはなく、
帰りは童虎さんに担いで届けてもらった。
とても長い階段を駆け上がったはずなのに息を切らすことすらない童虎さんに若干引いたのは内緒だ。



「童虎さん、今日はありがとうございました」


教皇宮の前で、童虎さんに礼を言った。
童虎さんは一瞬照れくさそうにしたがすぐに普段の顔に戻った。


「礼には及ばんよ。
 それと、いい加減さん付けはやめい。
 おぬしとの仲じゃろう。」
「どういう仲か分からないけど…分かった。
 童虎、ありがとう」
「うむ、それでいい!」


クシャッと頭を撫でられると、子供扱いされてる気がしてならない。
それでも大きな手に撫でられると気持ちが良かった。


「じゃあ、またね。」
「うむ!」


童虎と別れ、自室(仮)に戻ろうとすると誰かに呼び止められた。



「サナエ様。
 アテナ様がお呼びでございます。」



話しかけてきたのはここに仕えている女官さん。
アテナさんが私の事を呼んでいるらしく、私が戻ってくるのをずっと待っていたらしい。



「アテナさんが・・・?」




なんの用だろうか。
分からない。
だが、読んでいるのにこれ以上待たせるわけにもいかず私は頷いた。



「すぐにいきます。」
「畏まりました」



女官さんのあとについてに続いて私は歩いた。









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