自覚?何それ美味しいの?



派手な破壊音が当たり前のようになり響く闘技場の様子に見ているこちらが恐ろしくなる。


「…すごいな、コレ。」


あまりの凄さに、冷や汗が出てきた。
ぱたぱたと手で汗を仰ぐ私に、童虎さんはさらりと恐ろしいことを言った。


「まあ、今すぐでもないがそのうちおぬしも修行することになるがのう」
「・・・・・は?え、なにそれ?冗談ですよね?」



思わず目を見張る。
こんなのに混ざったら確実に死ぬ。


「冗談でこんなこと言うわけないじゃろう」
「う、嘘でしょう!?」
「ハハハハハ!」


ケラケラと笑う童虎さんに私は戦慄した。
明らかに笑って言う話じゃない。


「大丈夫じゃ!わしが修行つけてやるからのう!」
「だぁーかぁーらぁー!
 殺す気かって聞いてるんですよ!
 私は一般市民なんですよ!?」

「それこそ問題ない!
 おぬしは一般人じゃないからのう!」
「禿げろ!このアホ童虎さん!
 私だって好きで一般市民じゃなくなったわけじゃないんですからねーーー!!」



少しだけ気にしていたことをつかれた私は反射的に一発、童虎さんのビンタを入れる。
なんだか居たたまれなくなってしまって、闘技場を足早に去って行った。




―――




「…これで一般市民かのう?」



叩かれた所が、ジンジンする。
叩かれた時、反応すらできなかった。
女の身でここまで自分にダメージを与えられる人間なんてそうはいない。
おそらくは、彼女の制御できていない小宇宙の影響だろう。



「自覚と自信は、0じゃな。」



やれやれと、肩をすくめたあと、サナエのあとを追った。







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