決意



あたしは、ただずっとそれを見ていた。
光牙が小宇宙に目覚めた事
ペガサスの聖衣をまとったこと
そして、アテナをマルスに奪われたこと。

あたしは、それをただ見ていた。


その後、何もかも静かになった時あたしは別荘に向かった。

重症のシャイナと、看護する辰巳。
そして、自分の弱さを腹立たしく思っている光牙の姿がそこにあった。


「・・・。」



病室には入らないでいた光牙がどこかに走っていく。
あたしはそれを、ゆっくりと追いかけた。



「俺の…俺がっ!!」


雨が降りしきる中、光牙は泣いていた。
その姿が、何故か一昔前のあたしと被ってみえた。

「光牙…。」

ごめんね。
なにも、してあげられなくて。

でも…


「次は、これからはあたしも…」


あたしはそこで言葉を切った。
あたしは硬く目を瞑ると、その場を後にした。








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