決意 あたしは、ただずっとそれを見ていた。 光牙が小宇宙に目覚めた事 ペガサスの聖衣をまとったこと そして、アテナをマルスに奪われたこと。 あたしは、それをただ見ていた。 その後、何もかも静かになった時あたしは別荘に向かった。 重症のシャイナと、看護する辰巳。 そして、自分の弱さを腹立たしく思っている光牙の姿がそこにあった。 「・・・。」 病室には入らないでいた光牙がどこかに走っていく。 あたしはそれを、ゆっくりと追いかけた。 「俺の…俺がっ!!」 雨が降りしきる中、光牙は泣いていた。 その姿が、何故か一昔前のあたしと被ってみえた。 「光牙…。」 ごめんね。 なにも、してあげられなくて。 でも… 「次は、これからはあたしも…」 あたしはそこで言葉を切った。 あたしは硬く目を瞑ると、その場を後にした。 ← → back 141/8 |