発見!土のコア!



市に騙されたことを悟ったみんなが市と交戦する。

やっぱりなぁ…あの市ってやつ胡散臭いと思ってたんだよ。
なんて思いながらみんなの様子を土の遺跡を木の上から伺う。
市とわいて出てくる土のゴーレムにだいぶみんな苦戦してるな。


「罠のにおいをぎつけて別行動をとったら、
 まさかこんなことになるとはな…。」
「まったく、
 嫌な予感ってのはいつでも当たっちゃうんよねぇ…。」


栄人の言葉に呆れながら同意しながら、あたしは冷たく笑った。
たく、あの市とかいう奴め…。
裏切りなんて、マジであり得ないわ。

「…こうなることは予想していたから、俺のところに来たんだろ?」
「まあね、あいつはくさかったから。
 何も知らない光牙に押し付けるのが一番いいから…。
 それに、あたしあいつ嫌いだし。」
「それだけじゃないだろ?」
「…まあね」


横に立つ、栄斗が横目であたしのことを見る。
ああ、忍者だから勘いいんだ、やっぱ…。


「いろんな経験をするから、人は成長するもんよ。
 それが、苦くても、つらくても…ね。」

裏切られるってのは、嫌な思い出になるし、これからも忘れないだろう。
でも、その経験がないとやってけないのもまた事実。
だったら、ダメージ少ないうちに受けとくべきだろう。


「…ああ、そうだな。」
「さて、おしゃべりはこの位にして!
 そろそろ真打登場と行きますか!
 場所はあらかた特定できたんでしょ?」
「あぁ」


あたしと栄斗はアリアちゃんのもとに向かうため、
木から飛び降りた。








「土のコアの場所が分かれば、ゴーレムを操る聖闘士を……分からないッ」
「安心しなさい、アリアちゃん!」


スタッとアリアちゃんの隣にとんだ。
いきなりあたしと栄斗が現れたことに驚くアリアちゃんにあたしは微笑みかけた。


「ホタル!」
「アリア、一緒に来い、あの人形どもを止めるぞ。
 ホタル、お前も来い。」
「あたぼうよっ!
 って!?なんでお前がアリアちゃんを抱くんだ!あたしがやる!」


ひょいっとアリアちゃんを横抱きにした栄斗に猛然と抗議する。
普通そういうのは同性がやるべきだろう!?
アリアちゃんお姫様抱っことかなにそれいいなぁ!
羨ましい!あたしがやりたい!


「今そんなこと言ってる暇ないだろう!」
「ぐっ・・・!」


正論です。
だけど、やっぱそういうのってあたしの仕事だと思うんだよね…。
なんてグチグチ言いながら遺跡を舞う。


「人形使いのいる土のコア…
 それは……ここだっ!!」


栄斗はそう叫ぶと、一気に地面に向けて攻撃をした。
降下しながら、聖衣をまとう栄斗にならい、あたしも聖衣をまとった。


「富士流忍法・野槌崩し!」
「積尸気 魂葬破!」


地面に穴をあけ、地下へと落下する。
なるほど…地下に土の遺跡があったからアリアちゃんが判らなかったのか…。
場所自体は同じだからねぇ。


「狼座と南冠座の聖闘士か…」


下にいたのは、白銀聖衣をまとったおっさん。
成る程、あいつがゴーレムを動かしてたってわけね。


「オッシャ・スレイブ!」
「富士流忍法・土遁鳳仙花!」
「積尸気 魂葬破!」


土でできたゴーレムをぶっ壊す。
何だ、案外もろいじゃん。
なんて思いながら着地して、相手と向き合った。
しかし、相手から敵意、殺意を感じなかった。


「…引き上げだ。」
「そんな!?ミケランジェ様!相手は青銅2人ですぞ!?」
「かまわん、ミケランジェの喜びは作品を作り出すことのみ。」
「ミ、ミケランジェ様!」


目の前で交わされるそんな会話・・・。
え、なにこれ?


「・・・・なんだ、いまの茶番…。」


敵を目の前にして、戦わず退くなんて…あいつまじで白銀?
聖闘士の質、マジで落ちたなあ…。


「ふん、その白銀聖衣は飾りか。」
「まあ、戦う手間が省けていいと思うけどね・・・。」

あんな自分で戦わないやつなんて瞬殺だけど。
まあ、それよりこの土のコアをなんとかしないとだね…。


「栄斗、小宇宙を燃やして」
「ああ。」


栄斗の小宇宙が、膨れ上がる。
その小宇宙に、アリアちゃんの小宇宙が重なって、土のコアへ降り注いだ。


「おお。」


砂時計の形をしたコアは、崩れ去った。
砂が崩れ落ちるとき、栄斗のもとに赤く光る何かが舞い降りた。


「それって…」
「土の、小宇宙クリスタル…。」


アリアちゃんが無言でうなずく。
これって、いったい何なんだろうなあ…。
まあ、いいや。


「さて、上に上がりますか。」
「うん」
「ああ。」







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