06





「わあ!ティアさんすごい似合ってる!」




「本当ですか?あまりこういう服は着たことがないとですが……。」




「ほんとだよ!すっけえきれい!」





今時の洋服を着ているティアに、瞬と星矢がはしゃぐ。
遠慮するティアに2人がごり押しして着せたのだが、
その姿は先ほどとは違う雰囲気を出している。





「ティアは一応仕事の途中なのだから…迷惑かけるな」




「いいのか、ティア。
聖域に行くのに、その格好で……。」





「ええ。構いませんわよ。
たまにはこういう姿をしたって罰は当たりませんわ。」





「そうか……。」






うれしそうなティアに、三人は言うのをやめた。






「なあ!今度はアイス買おうぜ!
沙織さんからお小遣いたくさんもらったんだし!」




「もう、星矢はおなか壊しちゃうよ?」




「甘いモノは、好かん。」




「たまにはいいかもな。」



「ティアはどうする?」





「食べてみたいですわ!」








一輝以外の五人はそれぞれ好きなアイスを買い、食べながら歩いていた。






「そろそろ聖域にいかないといけない時間だな」



「え?もう?」



「もうそんな時間なんだ……」



「楽しい時間は、すぎるのが早いな。」




「全くですわ。
…でも、思い出に残りましたわ。」




「……あぁ。俺たちもこうしてのんびり過ごせたことを忘れないな。」




「いままで、殺伐としていたからな…。」




「……………。」





ティアが徐に腕につけていた5連の金の腕輪の外した。





「これを、みなさんに。」




「え?」


「いいよ、これ高いだろ?」


「俺たちには過ぎた品だから、受けとくわけには……。」


「心遣いはうれしいが……。」


「そんな、モノで返そうなどと……。」





首を振り、断ろうとする五人にティアはフルフルと首を振った。





「これには、加護がついています。
お守りみたいなものですわ。だから。受け取ってください。
これからのあなた達の人生に幸があるように…。」





『……。』





そういわれると断れず、五人はしっかと受け取り腕につけた。





「似合ってますわ。」




「へへっ!ありがとティア!」


「僕らのために、ありがとうございます。」


「ありがとう、ティア。」


「大事にする。」


「…ありがとう」





「いいえ、お礼には及びませんわ。」





六人は、笑いながら聖域へと向かった。


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bkm
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