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そよ風が頬をかすめていく。
ほんのり肌寒い冷たい空気に包まれて、そっと瞳を閉じた。
虫の音、森の香りがとても心地良い。


「おい淳史! さみぃからそこ閉めてくれよ」

「あ、ワリィ。今そっちに行くわ」


ベランダの戸を閉めて部屋に入り布団の上を歩いていく。
俺の寝床に着くと周りにいるダチは携帯をいじっていたり、音楽を聴いてたりしていた。


今日は修学旅行だ。今はもう就寝時間で消灯している。皆はまだ眠れないらしく、喋っている奴が殆どだ。


「明日は何やるんだっけ?」

「おいおいマジかよ。明日はハイキングだって」

「あーそうだったな。確か10km歩くんだってな。めんどくせー」


俺は起床時間に起きれるよう携帯でアラームをセットした。枕元に携帯を置き布団の中へ体を潜り込ませた。

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