1/12 何て言うんだろう。 笑顔を見れただけでキュンとしたり、さりげない優しさを見てキュンってしたり。 キュンキュンしまくって私、今とても幸せ。 「おーい留奈(るな)ー!‥‥ダメだ。完全に自分の世界に行っちゃってる」 「あ、亨(とおる)くんだー」 「え!?ど、どこ!?」 「あからさまな反応だねぇ。そんなに朝比のことが好きだったとは」 亨くんがいないと分かって、私は席に座り直す。前の席の椅子を借りて座っている私の友達Aもとい祐香は、私を見て楽しんでいる。 そんなに分かりやすい反応かなぁ。 私が亨くんのことが好きっていうのは、もう少ししてから言おうと思っていたのに、すぐにバレちゃったんだもん。 頬を膨らませていたら、横に立っていた美保に潰された。ふしゅーと間抜けな音が出て、空気が抜ける。 「まぁまぁ、そんなに拗ねないで。あ、今度は本当に朝比が来たよ」 私はすぐに亨くんを見付けた。 亨くんは友達と楽しそうに話している。笑う横顔。 ……あう。今、キュンとした。 「あー。また自分の世界に飛んじゃったみたいだよ」 「朝比ねぇ。まぁそこまで悪くはないと思うけど、何で好きになったのやら」 [しおりを挟む] [mokuji] |