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慶馬は三秒くらいじっと鈴を見詰めて我に返った。
女子が鈴に気付く前に、さっと視線をそらした。

そろそろ解放してほしいなと思っていると、女子はタイミングよく元の教室へ戻っていった。慶馬は心の中でよしとガッツポーズをすると、智樹と次の授業の場所へ向かった。

鈴は変わった女子だった。
大抵の女子は慶馬に色目を使って、くん付けで呼んでくるのに、鈴は洲本と呼び捨てで呼んだ。

話したのは野外学習で、班が同じだったため、やむを得なく会話を交わしたという事なのだが。

素っ気なく慶馬と話した。それが慶馬にとっては新鮮な出来事だった。
その後、鈴は女子と話しをすると声のトーンを少し上げて喋っていた。

その声は慶馬が女子に話しかけられる声と似ていた。鈴は普通の女子と反対な奴だと慶馬は思った。

それ以来、“萩山鈴”という女子に興味を抱いている。他にも新しい発見が見付かるかもしれない。

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