2/11 ‥‥‥‥マジかよ。 慶馬は言葉には出さず、表情でリアクションを取った。智樹は誇らしげに胸を張って、彼女が出来るまでの云々を語っていた。 昨日までは彼女なんていらねーと叫んでいた奴が。 何で付き合おうと思うのか俺には分かんねぇ。 高校ってのは、そういうものなのか? 付き合うだけで気持ちとか何にもないものなのか? 俺にはドイツもコイツも焦っているように見えるのだが。 「洲本くーん!悪いんだけど、教科書貸してくれなーい?」 隣クラスの女子が慶馬を呼び止めた。この女子はぶりっこで女子に好かれないタイプだ。 しかし慶馬は嫌と断れないタイプなので、仕方なく教科書を貸してやった。これが優しいと言われる理由だろう。 その時、慶馬と同じクラスの萩山鈴(はぎやますず)が通っていった。次は移動教室なので、授業の用意を持っている。 慶馬も移動するので行こうとした所、然程仲が良くない女子に呼び止められた。 鈴は友達と話しながら歩いていく。 [しおりを挟む] [mokuji] |