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クラスへ戻ると心配してくれた友達が駆け寄ってきてくれた。里夜はどうも健吾が気になったので友達に聞いてみた所、分からないと言った。

健吾の姿が里夜の視界に入る。彼はいつもと変わらない、里夜が知っている優等生だった。

放課後、何だか元気に部活へ行く気分じゃなかったので、体調の事もあり今日は部活を休むことにした。

学校の図書館で借りていた本を返しに里夜は向かった。


「あ……れ?」


扉を開けて入ってみると人の気配がなかった。普段なら一人や二人、先生がいたりするのだが誰一人いない。

里夜は慌てて扉に貼ってある紙を見た。
そこには“休館”と書かれてあった。

なのに何故扉が開いているのだろう。閉め忘れてしまったのだろうかと思いつつ図書館の中へ入っていく。

しんとした空気。
時間と風だけが流れていく。
偶にはこういうのもいいかもしれない。


「ん?」


奥へ進んでいくと誰もいないと思っていた図書館に人がいるのを発見した。

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