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「あぁ出ていったわよ。三郷君ね。時々保健室に来るのよ、あの子」


「三郷……」


三郷健吾。里夜と同じクラスの優等生だ。眼鏡が特徴的で後は何も知らない。

肌は色白で体が弱く見えるが、何か病気でも持っているのだろうか。それよりも里夜の寝込みを襲ったのは健吾なのだろうか。

けれど見た時は眼鏡をかけていなかったし、健吾はそういうタイプじゃないと里夜は思った。

先生は里夜の身なりを直してあげると紙を渡した。


「三郷君がどうかしたの?はいこれ、出席名簿に挟んでおいてね」

「いえ、何でもありません……。有難うございました、失礼致します」


ぺこりと頭を下げてお辞儀をする。先生は笑顔で手を振る。


「はぁ〜いお大事にね!」





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