2/6 「あぁ出ていったわよ。三郷君ね。時々保健室に来るのよ、あの子」 「三郷……」 三郷健吾。里夜と同じクラスの優等生だ。眼鏡が特徴的で後は何も知らない。 肌は色白で体が弱く見えるが、何か病気でも持っているのだろうか。それよりも里夜の寝込みを襲ったのは健吾なのだろうか。 けれど見た時は眼鏡をかけていなかったし、健吾はそういうタイプじゃないと里夜は思った。 先生は里夜の身なりを直してあげると紙を渡した。 「三郷君がどうかしたの?はいこれ、出席名簿に挟んでおいてね」 「いえ、何でもありません……。有難うございました、失礼致します」 ぺこりと頭を下げてお辞儀をする。先生は笑顔で手を振る。 「はぁ〜いお大事にね!」 > [しおりを挟む] [mokuji] |