14/14 「そもそも、こんな転校させるのは千代ちゃんと渚の為なんだ。あの頃の千代ちゃんに渚は勿体無いと思い、修業させることにした」 「しゅ、修業って‥‥」 「だから特に女の子と仲良くするなと言ったんだ。私は千代ちゃんしか結婚を認めん!」 「結婚!?」 「そんな理由で……」 呆れた、と呟いてなぎちゃんは玄関の段差に座った。なぎちゃんのお父さんとお母さんは嬉しそうに話し合っている。 「千代ちゃん、こんな息子で不十分かもしれないが宜しく頼む」 「は、はあ」 (私の方がなぎちゃんにもったいないぐらいなんだけどな……) なぎちゃんのお父さんの勢いに若干押されながら、私はぎこちない笑顔を浮かべた。お父さんはそんな私の返事に、満面な笑みを浮かべる。 「けどまあ、これで千代と離れなくても済むと思ったら、ほっとしたよ」 「私も!これからはずーっとなぎちゃんの傍にいられるね!」 「ああ。まさかこんな理由だとは知らなかったけど」 そう言って、なぎちゃんと私は笑い合った。 巡り逢えた奇跡。 きっとこれは、運命と一緒。 The end. [しおりを挟む] [mokuji] |