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「そもそも、こんな転校させるのは千代ちゃんと渚の為なんだ。あの頃の千代ちゃんに渚は勿体無いと思い、修業させることにした」

「しゅ、修業って‥‥」

「だから特に女の子と仲良くするなと言ったんだ。私は千代ちゃんしか結婚を認めん!」

「結婚!?」

「そんな理由で……」


呆れた、と呟いてなぎちゃんは玄関の段差に座った。なぎちゃんのお父さんとお母さんは嬉しそうに話し合っている。


「千代ちゃん、こんな息子で不十分かもしれないが宜しく頼む」

「は、はあ」
(私の方がなぎちゃんにもったいないぐらいなんだけどな……)


なぎちゃんのお父さんの勢いに若干押されながら、私はぎこちない笑顔を浮かべた。お父さんはそんな私の返事に、満面な笑みを浮かべる。


「けどまあ、これで千代と離れなくても済むと思ったら、ほっとしたよ」

「私も!これからはずーっとなぎちゃんの傍にいられるね!」

「ああ。まさかこんな理由だとは知らなかったけど」


そう言って、なぎちゃんと私は笑い合った。
巡り逢えた奇跡。
きっとこれは、運命と一緒。








The end.

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