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同じことを考えていたんだなとなぎちゃんは笑った。そうだねと私もつられて笑った。

なぎちゃんの腕の中はとても温かくて、頬を寄せた。幼い頃は私の方がなぎちゃんを包み込めれる大きさだったのに、いつの間にか逆の立場だ。


「千代」


顎を掴まれて上を向かされると、唇を塞がれた。全てを包み込むようなキスに、私は身を委ねた。


「──好きだよ、愛してる。…これが、最後だとしても」

「なぎ、ちゃん?」


なぎちゃんは微笑む。どこか寂しそうに。私は不安な気持ちでなぎちゃんの顔を覗き込んだ。


「きっと今頃、僕の転校手続きが進められてる。今度は……もう逢えないかもしれない」

「そんな!やっとなぎちゃんに逢えたのに!──私、なぎちゃんのお父さんに説得する!」

「無駄だよ。僕の父が頑固なのは、千代も知ってるだろう?」

「そんなの、やってみなきゃ分からないよ!」


私が原因で、転校なんてさせたくない。幼い頃になぎちゃんが引越したのも、私が原因だったら、尚更。

人と仲良くできないなんて、悲しい。なぎちゃんだって、こんなことをしたくないって思ってる。
どんなに頑固なお父さんでも、何とかして転校をやめさせてもらうんだ!

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