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私の心を読み取った美保が言った。言われるまま、男の人を見てみる。


え、亨くん!?


薄暗かったからあまり顔がよく見えなくて気付かなかった。まさか、合コンに亨くんが来てるなんて思いも寄らなかった。

亨くんは私の視線に気がつくと、にこっと微笑んでくれた。あ、ヤバい。幸せすぎる。


「みんな揃ったところで、定番の王様ゲームを始めまーす!」

「イェーイ!」


いつの間にか、私と亨くん以外はかなり盛り上がっていた。祐香、美保すっごくノリノリだ…。

亨くんが来てたことは嬉しかったけど、やっぱりこういうのは苦手な方だから王様ゲームとかはちょっとやだな。


「えっと、留奈ちゃんだっけ?はい、どれか選んで!」

「あ、はい」


私は一本棒を引いた。次々と手が伸びてきて、みんなは棒を引いていく。


『王様、だーれだっ!』

「はいっ!あたしでーす!」


祐香が元気よく手を上げる。あれ、祐香ってこんな子だったっけ。いつもはこんなんじゃなかったハズ。

一方美保は、知らない男の人の隣に座ってるし。まぁ私のためだけに、ここまでしないもんね。


「んじゃぁー、最初は軽めに4番が5番にほっぺにチュー!」

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