5/12 私の心を読み取った美保が言った。言われるまま、男の人を見てみる。 え、亨くん!? 薄暗かったからあまり顔がよく見えなくて気付かなかった。まさか、合コンに亨くんが来てるなんて思いも寄らなかった。 亨くんは私の視線に気がつくと、にこっと微笑んでくれた。あ、ヤバい。幸せすぎる。 「みんな揃ったところで、定番の王様ゲームを始めまーす!」 「イェーイ!」 いつの間にか、私と亨くん以外はかなり盛り上がっていた。祐香、美保すっごくノリノリだ…。 亨くんが来てたことは嬉しかったけど、やっぱりこういうのは苦手な方だから王様ゲームとかはちょっとやだな。 「えっと、留奈ちゃんだっけ?はい、どれか選んで!」 「あ、はい」 私は一本棒を引いた。次々と手が伸びてきて、みんなは棒を引いていく。 『王様、だーれだっ!』 「はいっ!あたしでーす!」 祐香が元気よく手を上げる。あれ、祐香ってこんな子だったっけ。いつもはこんなんじゃなかったハズ。 一方美保は、知らない男の人の隣に座ってるし。まぁ私のためだけに、ここまでしないもんね。 「んじゃぁー、最初は軽めに4番が5番にほっぺにチュー!」 [しおりを挟む] [mokuji] |