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分からない分からない分からない! 「あー…分からない…」 目の前でのうのうと寝ているコイツに俺は振り回されまくっている。 「そんな直ぐになんて分かるかよ…」 なぜこんなにも俺が悩んでいるのかというと、それは遡ること二週間前。 部活終了後、俺は突然鳳に告白された。 もちろん返事はノーだ。 だってコイツ好きなら絶対宍戸さんだし、第一俺は鳳が好きじゃない。 俺より背が高いし、力あるし、愛想だっていい。 見事に正反対な俺たちは、友達としてでも気が合うわけがない。 『じゃあ、一週間だけで良いから俺を見ていてほしい』 断った時、鳳に言われたその一言が俺の心を揺さぶる原因になった。 言われた通りに次の日から、鳳を見つけてはとりあえず見ていた。 見るだけで、決して話しかけはしなかったし向こうからも話しかけることもなかった。 だけど、 目が合えば、優しい笑顔で微笑んでくる。 そんな鳳に少しばかりだが、心臓が高鳴ったのがわかった。 それからと言うもの、奴の笑顔はどんどん俺の脳内を侵略していったのだ。 「好き…なのか、分からない。」 "好き"という感情が分からない。 よく考えてみたら、生まれてこの方人を好きになんてなったことが、一度もなかった。 「保留、でもいいか…」 「ダメ」 「な、」 さっきまで寝ていたはずの鳳がいきなり、俺の腕を掴んできた。 ビビるだろうが! 「ダメ、絶対ダメ。 俺が日吉のこと本気で好きなの、伝わらなかった?」 「いや、そんなことはない…けど」 「分からないなら、教えてあげる」 「うわっ」 捕まれていた腕をぐいっと引っ張られ、気づいたら鳳の腕の中に収まっていた。 「おい、どういうつもりだ!」 「好きだよ、すっごい好き。日吉、俺と付き合って」 ぎゅううっと抱き締めてくる鳳はデカイ割りにどこか小さく思えた。 そんな奴に抱き締められて、顔が発火しそうなくらい熱い俺も、大概だ。 「…………分かった」 仕方ないから、俺も好きだってことにしといてやる。 悩む (答えはもう心の中。) 111028 きのこの受けってかわいくないですか? |