恋する動詞111題 | ナノ

8.見つめる(ブンジロ)



じーーっ



「…………」




じーーっ




「…………なんだよぃ、ジロ」



「いや、ブン太くんってかっこEな〜と思って」



ここは丸井家のリビング。

みんなお出掛けらしく、今は俺とブン太くんが並んでソファに座っている。


そして俺はさっきからブン太くんを見続けている。

横顔も相変わらず整った顔をしてるんだけど、やっぱり改めて見ると釘付けになってしまう。



「んな訳ないだろー

お前の不思議な行動には何か理由あるし」


「…えへ」


「えへ、じゃわかんねぇだろ〜?

ちゃんとわかるように説明しろって」


ブン太くんが俺の首に腕を巻き付けてきた。

ちょっと苦しいけど、身体がぎゅーってなっててちょっと嬉しかったりもするんだよね。



「今日ゆーしに『彼氏のことじっと見つめてみろ』って言われたの」


「おう」


「それでね、何で?って聞いたら『彼氏が喜ぶ』って……

俺、ブン太くんに喜んでもらいたかったから…その……ね?」


言ってたらどんどん恥ずかしくなって、声が小さくなった。


チラッとブン太くんを見てみたら、さっきとは全然違って真っ赤になっていた。


「っくしょぉ…!

お前のそういう所がいちいち可愛いんだよ!」


「え、何か怒ってる!?」


「怒ってねぇよ!超嬉しいっつーの!!」


「うわぁっ」



真っ赤になったブン太くんがいきなりもたれ掛かってきたから、二人してソファに倒れ込んだ。


なんだ、照れてるんだ。



「もう本当にブン太くん大好きだC〜」


「そんなん知ってるっての!」


試合の時みたいにニヤリと笑ってキスをしてきた彼の背中に、ぎゅっと腕を回した。



耳まで真っ赤になって、痛いくらい抱き締めてくるブン太くんを見て、俺ってば超幸せだな〜…なんてぼんやりと思った。








見つめる
(君しか見えなくなりました。)





111026




多分忍足は自分が彼女にされて嬉しかったことを、ソッとジロちゃんに仕込んだのかと。←



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