恋する動詞111題 | ナノ

2.追いかける(鳳宍)



自分よりも小さな背中に少しでも追いつきたかった。


それは純粋に好きだからではなく、一人の先輩として、人間として。

彼の姿は自分には眩しすぎて見えない。

一生懸命追いかけてもすぐ先に行ってしまう。

そして、追いつけるその時を何度も夢見ながらまた彼の背中を追いかける。



でも、ある日気がついた。



この人は今までに一度だってテニス以外の感情を、俺にぶつけてきたことはあっただろうか。


自分の記憶をどこまでも辿ったって、そんな事実は見つからない。



───そんなの嫌だ。


心の片隅で自分の叫ぶ声がした。






「結局俺は、あなたにこっちを向いてほしいだけなんです」




我が儘でごめんなさい。


でも、俺少しでも先輩の心に残っていたいから。






追いかける
(辿り着けるその日まで)





111010


宍戸さん好きでいていいのかな、大丈夫かな、と心配する鳳。

ちょっと病んでるか、ボケ倒してるかぐらいが書きやすい子です。



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