![]() | |
「ジャッカルー!」 朝礼が終わってからすぐ、俺のクラスに元気の良い幸村の声が響き渡った。 もうこれは日課になっているので、他の奴らも元気な幸村を見て微笑んでいる始末。 …まあ入する前と比べても、格段に今の方が幸村自身も明るくなった気もするし。 「どうしたんだよ、幸村」 大体予想はついてるけど、とりあえず聞いておく。 万が一、予想が外れたら怖いからな… 「昼休みにメロンパン食べたいからよろしく」 「あぁ、メロンパンな」 やっぱり…なんとなく今日はメロンパンな気がした。 あれ結構人気だから、走っていかなきゃ間に合わねぇかも。 まあ幸村のためだし、頑張るけど。 「あとね、屋上で食べたいからあんまり日が当たらない場所、取っといてほしいんだ」 「わかった、とっとくな」 「あと…」 ちょっと恥ずかしそうに俯いている幸村を不思議に思い、顔を覗き込んでみたら、少しだけ頬っぺたに赤みが差してた。 それがちょっと可愛くて、ドキッとする。 「まだ、何かあるのか?」 「あのさ、食べるときは二人きりがいいな…なんて」 チラッと俺を見てから恥ずかしさが振りきれてしまったのか、猛ダッシュで教室を去ってしまった。 …いつも一緒に昼飯を食べているブン太に、なんて言って断ろうか。 頭の中でそればかりを考え、ニヤけてしまう前に嬉しさを誤魔化した。 振り回す (好きだから、独占したくてそうするんだ) 120822 |