美化委員会 | ナノ

田中SIDE

ちゃらら〜と軽快な音が流れるが、俺の心はちっとも軽快なんかじゃない。
未だに俺のチンコはたっているだけで、イきはしていなかった。


「ふ、っ…ぇ」


泣き出した板垣に俺の怒りは上がっていく
何泣いてんだよ、今日あの時板垣が旧校舎なんかで寝てなかったら俺は…っ


「田中ァ、お前はもう美化委員会だからな」

「わかったよ…」

「だからさ、そのバカ犬に……何したっていいんだよ」


ぞくりと背中に何かが触れたような感覚がした。
バカ犬、このバカ犬に何してもいいのか?

それを聞いた俺は怒りだけが支配していて、泣きじゃくる板垣の胸倉を掴んで引っ張った


「じゃぁ俺はもう行くから」


鮫島は俺とすれ違い際に


「バカ犬の弱点はね、髪の毛を前から掴まれる事。それと尿道攻めに弱いかな」

「…さんきゅー」


怖いことを言って、廊下から消えた。

そして俺は周りに誰も来ない事を祈って、バカ犬こと板垣に一発蹴りをかました。
なきじゃくる不細工な面に。

板垣は廊下の壁へと勢いよくつっこんだ。そして顔を抑えている。
あー、もううぜぇ。こんな奴にびくびくしてたのがバカみたいじゃん。


「げほっ、ぅぅ……」

「図体でけぇ癖に泣き虫とか笑えるな」

「や、」

「こっち向けよ」


板垣の前髪を掴んで俺のほうを向かせる。
すると板垣はどうした事か、


「ごめんなさ、い。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」


狂ったように謝りだした。
弱点、って言うか…怖いのか?こいつは前から髪の毛をつかまれることに。


「謝るって事はさ、悪い事したのか?」

「旧校舎で寝た、ごめんなさい、もうやらないから!」


なんか、ガキみたい。面白くなって来たなぁ…
板垣がこんなに動揺するなんて…よく鮫島は弱点を知ったな

いや…鮫島の事だからそんな情報は簡単に手に入るだろう


「あー、あのさ?聞け」

「聞くからぁ…っ」

「俺は鮫島みたいに酷いことしないから」


嘘だけどね、こういうバカは中から攻めて内側で壊すほうがいいんだよ
なんか田中性格悪くなってない?だ?黙っとけ。

髪の毛を掴んでいた手をパッと離して


「俺と付き合おうぜ?叶」


その言葉と共に俺は板垣を抱きしめた


「ぇ、っ?なに、なに」


その時の板垣の表情はわからない、でも抱きしめた体は躊躇しながらも俺の背中に腕を回した。


「ね…付き合ってよ」

「あの、その」

「そしたら、鮫島からこの庭を守れるかもしれない」

「…あの、でもそれじゃ」

「俺の心配してくれてんの?いいよ、俺…叶のこと助けたい」


そう言うと回している腕がぎゅっと縮まった
あーあ、動揺してる。


「ほ、んと?」

「俺のこと愛してくれたら助けるけど」

「わかっ、た!なんでも言うこと聞く、彼氏になる!」


危うく爆笑する所だった。ばっかだなぁ板垣
でもコレで、板垣の彼氏と言うポジションは取れた。

なんか、鮫島に感謝しなきゃなぁ…。
だって俺のストレス発散場を用意してくれたし

誰が鮫島から助けるかよ、あんな良い奴なんだからさぁ。つかざまぁねぇしマジ

最近は大学受験やら仕事やらでストレス溜まってたから、な。


「俺、田中ね」

「タナカ…んっ」


俺は板垣の唇に触れるだけのキスをした


田中SIDE END



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