胸元のリボンを外したい
なまえの艶やかな髪がさらさらと靡いて、甘い匂いがふわりと漂う。真剣な眼差しで見つめ合う二人は徐々に距離を縮め、そのまま重なる唇。
「が、涯くん…」
ちょっと待って、と肩を押すなまえの弱々しい抵抗は意味をなさない。そのままベッドの上に倒れ込む二人の熱い吐息が交わる。
「キスだけって、」
ほんのりと汗ばむ首筋に顔をうずめて口づけを落とすと擽ったそうに首を竦めるなまえは、その先に進むのが怖かった。興味はあるけど、まだ、もう少し知らないままでいたい。
「じゃあ、もう1回」
「……うん」
誰に教えてもらった訳でもない、たどたどしいキスを繰り返す。
唇を離すとなまえの潤んだ瞳が涯を見つめる。黙ったまま、ぎゅっと抱き着いて小さく『好き』と呟いた彼女が愛しくて、制服の胸元へと手を伸ばすとそのリボンを掴んだ。
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