宗清同棲生活

立花の屋敷に戻った宗茂
ここでもこたつに入ってみかんを頬張る。

ギン千代「まったく、急に帰ってきたと思えば。」
宗茂「清正が来ても追い返してくれ。」
ギン千代「どこまでも仲がいいな、貴様達は。」
宗茂「そんなことない!これも食べてしまえ。」(もぐもぐ)
ギン千代「たかが菓子だろ。そんなに怒るか?」
宗茂「楽しみを奪われたら怒るだろ?」
ギン千代「ふん、立花はそんなくだらないことでは怒ら・・・宗茂、何を食べている。」
宗茂「何って、どら焼き。」
ギン千代「それ、どこから取ってきた。」
宗茂「ああ、台所の奥の棚に入っていたが・・・。
   しかしこれ美味いな。どこのどら焼きだ?」

ギン千代、雷をまとう。

宗茂「ギン千代、どうした!?」
ギン千代「それは島津への手土産に持っていくはずだったどら焼きだ。」
宗茂「え?」
ギン千代「貴様・・・なかなか手に入らないものをよくも。」
宗茂「ギン千代・・・すまない。だから、その雷をどうかおさめてくれない・・・か?」
ギン千代「たまに帰ってきたら貴様!出ていけー!!!!」

落雷をよける宗茂、そのまま外へ走っていく。

その時立花家門前

清正「なんか・・・迎えに来るのもなんだったけど・・・ってかなんか騒がしい。」
宗茂「清正―!!!!!」

宗茂、清正に抱きつく。

清正「宗茂!あの、悪かった。俺、ちゃんと反省したから。」
宗茂「清正、いまそんなことどうでもいい。逃げるぞ。」
清正「え?」

宗茂「清正の手を引いて逃げる。」
ギン千代「宗茂―二度と帰ってくるなー!まったく。」

走りまくって電車に急いで乗った二人。

清正「何をやったんだ。」
宗茂「なに、食べ物の恨みは怖いってことを身をもって知ったんだ。」
清正「は?」
宗茂「清正、怒って悪かった。小さいことで怒るのは金輪際やめる。」
清正「宗茂・・・。いや、俺も謝る。勝手に食ってごめん。」
宗茂「清正。」

家に帰って一息つく二人。

清正「宗茂、思ったんだけどよ。」
宗茂「ん?」
清正「二つ買っておけばいいんじゃないか?」
宗茂「二つ?」

清正、冷凍庫からアイスクリームを出してくる。

清正「俺の分とお前の分、二つあれば争いは起こらないだろ。」
宗茂「清正・・・。」
清正「食うか?」
宗茂「ああ。」

この日の晩、二人は仲良くアイスを食べましたとさ。


END

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