宗清同棲生活

豊臣家を出て
安いアパートに一人暮らししていた加藤清正。
そこに突然転がり込んできた恋人・立花宗茂。
そんな二人の日常生活を覗き込んでみましょう。

第一話「カブ」

清正「ただいま。」
宗茂「お帰り、清正。」

清正の手には買い物袋。野菜がたらふく入っている。

宗茂「今日は何買ってきたんだ?」
清正「白菜・長ネギ・・・えのきに豆腐と・・・。」
宗茂「鍋か!いいな。」
清正「あとはカブ。」
宗茂「かぶ?鍋じゃないのか?」
清正「鍋だよ。カブいれるとうまいんだぞ。」
宗茂「えー・・・。」
清正「おねねさまがやってたんだよ。とにかく食ってみろ、水炊きでいいな。」
宗茂「いいよぉ。」
清正「ってかこたつから出ろ!」
宗茂「寒いんだもん。」
清正「手伝え!」

数分後、お鍋をこたつの上に置く。

宗茂「お鍋♪お鍋。」
清正「お前結局こたつから出なかったな。」
宗茂「火をつけるのが俺の仕事だ。」
清正「そんなに爽やかにいってもなぁ。」

鍋のふたを開けるとぐつぐつと煮えていた。

清正「おお、なかなかだな。」
宗茂「うまそうだ!あれ?カブは?」
清正「カブは煮過ぎると溶けるんだよ。だから食べながら入れていく。」
宗茂「へぇ〜。」

肉やらネギやらをつまんで食べていく二人。
清正がカブを入れる。宗茂はそれをじっと見ている。

清正「・・・・・。」
宗茂「・・・・・。」
清正「もう、良いと思う。」

宗茂はすかさずカブを器に入れる。
もぐもぐ・・・・。

宗茂「お!うまい。」
清正「だろ!?」
宗茂「おねねさま凄いな。」
清正「だろぉ〜。」
宗茂「・・・。」
清正「なんだ?」
宗茂「相変わらずおねね様の話するとのろけるな。」
清正「ば、馬鹿っ!」
宗茂「でもあれだな、清正の愛情でうまいんだな。」
清正「・・・・・・・・・。」
宗茂「な。」
清正「黙って食え!」


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