動機が不純だと心が痛む
「ミョウジハンターすごかったです!やっぱりS級ってすごいですねぇ。」
『本当ですか?ありがとうございます。』
「うちのギルドに入りましょうよ!こんな全員かすり傷一つないなんてすごいです!」
今日は初レイドだった
白川社長のおかげで白虎ギルドの新人ハンター研修を受けさせてもらって
低等級のゲートにお邪魔させてもらった
白川社長が一緒に行ってくれるもんだと思っていたけど、さすがにただの体験だからか今日は一緒じゃなかった
まぁそりゃ、忙しいよね。社長さんだし。
魔獣化みたかった。ざんねん……。
もともとゲーマーだったので、とりあえずゲームの中の私が好きなタイプのヒーラーを想像してみて
魔法を使ってみたら、そこそこ使えた。
さすがS級ということか、私のそこそこでもかなりのものだったらしく
こうして一緒にダンジョンに入った今宮ハンターから口説かれている
今宮ハンターは若い女の子で可愛らしくて喋りやすい
ギルドのお偉いさんもそう思って彼女を私のそばにつけてくれたようだった。
「ミョウジハンターは、白川社長が好きなんですよね?もうギルド入っちゃいましょうよ!!」
『え!!!なぜにそれを?!』
だれだ!なんでバレてるんだ!!!
「白川社長のかっこいいところをアピールして、是非ともミョウジハンターを捕まえてこいって上からの支持です。」
可愛い顔してエゲツないこというな。
ううー、でもまじでこの作戦効く。今宮ハンターの白川社長自慢がボディブローの様にガンガンくる
「私達みたいな下の方のハンターにも優しいです!」
「面倒見いいですし!」
「みんな社長に付いて行きたくてこのギルド入ってますよ!」
「社長めちゃくちゃ強くて、かっこいいんですよ!!」
『くっ……。』
今宮ちゃん手強い……。私を殺す気なの?
かっこいい。部下からこんな慕われててかっこよすぎる。
すき。もうすきすぎる。まじで犯してほし(自主規制)
「それに!ミョウジハンターはS級なんですから、ずっと白川社長と一緒ですよ!!」
『ぐはっ!!!』
トドメがエグい。
「ずっとですよ!ずっと!」と強調する今宮ちゃんがピュアすぎて心が痛い。
『白川社長とずっと一緒だなんて、かっこよすぎて私多分死にます。』
「え!!!」
ごめん今宮ちゃん。私はもっとどす黒い不純レベルで白川社長が好きなのだ
性的な意味で。常々犯してほしい相手と仕事とかやばすぎる。脳内セックス捗りすぎてつらい。
「初レイドお疲れ様でした。どうでしたか?」
初レイド後。もしかして白川社長から「お疲れ様。」って言ってもらえるかも!なんて浮ついた気持ちでいたのに
『わざわざありがとう御座います。最上さん。すごかったです、いろいろと。』
最上ハンターはけっこうこまめに連絡をしてくれる。多分私が他のギルドに入るかどうかを探ってるんだろうとは思う。
白虎ギルドでとりあえず初レイドしてきます。と伝えたところ。
有無を言わせぬ感じで、お食事でも行きましょう。とお誘いを受け
わざわざレイド終わり後に白虎ギルドまで迎えに来てくださった。
『S級って、すごいんですね。自分で思ってたよりも……。』
「あなたは凄い人なんですよ?だから僕のところに来ませんか?」
『ぅー……。』
「白川社長に1歩先を行かれてますからね。僕も結構焦ってるんですよ。どうしても僕はあなたが欲しいので。オーダーメイドのフル装備もお約束します。」
イケメンえぐい。さらっと手を握るな。
あれ?もしかして私軽い女だと思われてる?
あれか?エロい発言のせいか??
くそぅ。
「今度は僕と一緒にダンジョン行きましょうね。」
『はい……お願いします。』
「ミョウジハンターはどうでしたか?」
「凄かったです。ハンター全員、かすり傷一つすらなくて。強化魔法までかけてもらえて。」
「そうですか………。」
「攻撃魔法も使えそうだって言っていましたし。かなり有能だと思います。」
「社長!やはり何としてでもうちに入ってもらいましょう!」
あの時不安そうにしていたわりには初レイドは順調だったみたいだ。
回復魔法に加えて支援魔法まで、さらに攻撃魔法も習得中。
S級ヒーラー。なんとしてでも欲しい。
最上が動く前にたたみかけるべきだろう
今日食事にでも誘って口説くべきか……?
初レイドだったわけだし、労ってやったほうがいいだろう。
「ミョウジハンターはもう帰りましたか?」
「あ……それが……。」
「どうしました?」
「先程最上代表と………。」
これは………本格的に畳み掛けるしかなさそうだ。
「社長!色仕掛けでいきましょう。」
「ハンタースに入られたら大変ですよ!」
「ここまで来たら既成事実つくってうちのギルドはいってもらいましょうよ!」
「ミョウジハンター美人だし!」
「ちょっと待てお前ら!!!!!」
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