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「さすがにさむいねー。ナマエちゃん大丈夫?」


『は、はい。大丈夫です。』


雪こそは降ってはいないけれど、やっぱり山のほうだしめちゃくちゃ寒い
このへんは真冬だと雪も結構積もるみたいで、今でも寒いのにこれ以上寒くなってしまうのかと思うと・・・もはや想像がつかない

とりあえずホテルにチェックインということで空港からバスに乗り込んでブラブラ路線バスの旅。みたいな感じでまったりと移動した




ホテルは割りと小さめ。こじんまりとした。という印象で
展望台に来る人くらいしか宿泊しないらしく、なかなかに人気が無い。ホテルの周りにもお店やらは特に見当たらない


「荷物置いてこようか。んで早速行こうか。」

朝はやく出てきたけど移動だけでなかなか時間がかかってしまった
だから展望台に併設してある展示スペースを見てたら日も暮れて調度いい時間になるだろう。という予定なんだけど・・・






そ、そうだよね。一緒の部屋だよね。

「ナマエちゃん奥のベッド使いなよ。俺手前使うね。」

そういって紫さんは私の荷物を奥のベッドまで運んでくれた
幸い?ベッドはダブルではなかった。ツイン?て言うのかな?まぁ二つベッドが並んでる。という造りみたい
よかった・・・ん?よかったのか。え、いや、ガッカリはしていないよ。う、うん。


いやいやいやいや。なんか期待してるみたいじゃん!!違う違う。うん。ちがう。
なんてギャイギャイ心の中で葛藤?していると

「んじゃ、行こうか。」

にっこりと笑顔の紫さんに連れられてホテルを後にした















『すごい・・・。』


満天の星空なんて、きっとこれが初めてで
言葉に表せられるものじゃなくて、下手に言葉にしてしまったら、この感激が薄れてしまいそうで何も話せなかった


二人でぼーっと空を見上げる

展望台でみた星は、まるで図鑑にのってるみたいに綺麗にみえて
これがさっき展示スペースで書いてあったやつだよ。って横から紫さんが優しい声色で言ってくれて
とっても綺麗で。


それとはまた違う

胸の鼓動が聞こえそうなくらい、あたりは静かで
寒くて耳が痛かったのにそれすら忘れるくらい


美しくて

恐いくらいに





胸が震えた







だんだんと
足先が冷たくなってきて、寒くて鼻がズルズルいいだす
ぼけっと突っ立ったままに見上げていたから首もなんだか痛くなってきた


『綺麗ですね。』

「そうだね。」

そう言って二人で顔を見合わせて笑った


ダウンジャケットが擦れる音がする
心地よい重たさが私の身体にかかる

紫さんに抱きしめられてる

後ろから腕をまわされて、大きな身体にすっぽりとおさまる私の身体
紫さんの顎が私の右肩に乗ってる


ち、近い!!!

状況を把握してドキドキと心臓が脈打ちだす

そんな暇さえあたえないくらいに突然に浮遊感を覚えた



『へ・・・。』


あぁ。いま凄く間抜けな声が出た気がする
じゃなくて、え。どういうこと?
えっと今。私の目の前には満天の星空が広がっていて
でも首は痛くなくて
背中は温かいし、大きな腕が後ろから伸びて私の身体を包んでいて

「はは。こうしたほうが星みやすいね。」

紫さんの意地悪な声が頭の上から聞こえてくる


あぁ。私は紫さんに抱きしめられたまま豪快に後ろに倒れさせられたのか
バクバクとなる心臓とは別にやたら冷静に分析する自分もいた



『え・・・ちょ。えっと冷たくないんですか?』

私は紫さんの上に寝そべって倒れているけど、紫さんは地べたにそのまま寝転んでいる状態だ
地面は芝生みたいになってるから、汚れたりは大丈夫かもしれないけど、きっとじわじわ冷たいはずで


「そんなことないよぉ。ナマエちゃん温かいし。」


そういいながら回した腕に力を入れる紫さん


ドキドキして、おかしくなっちゃいそうなのに
なんだか妙に温かくて安心してしまう







世界の中心になったみたい





この人とずっと一緒にいたい


紫さんが髪に優しくキスしてくれたのがわかった

なんだか涙がでてしまいそうで


とても愛おしく感じた

















***********





<言い訳>
お。久しぶりです。が、がんばりまふ。とりあえずちょっとイチャイチャ。お泊りだからってまだ健全です。はい。
















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