My nane is・・・
月兎/1.2.3.4.5.6



「そう、ルナティックの正体は私です」

いつからそこにいたのだろうか、背後から聴こえたユーリの声にバーナビーの身体が強張った。

「貴方たちヒーローが犯人を捕らえてから、その後彼らがどうなるかご存知ですか?」

ユーリの気配は段々と近付いてくる。

「勿論、罪を償う為に刑務所で過ごす者もいます。しかし中には、賄賂で免れる者も、珍しいNEXT能力者ならば研究に協力するという名目で刑期を早く終える者もいます」

バーナビーにとって、それは初耳だった。
自分たちが捕まえた後の犯罪者たちの行く末など、深く考えたことはなかった。
当然のように、法によって裁かれるものだと考えていたからだ。

「何より、ここシュテルンビルトには死刑制度がありません。どんな罪を犯そうが、何人殺していようが、罪人は殺されることはない」

「……だから、代わりに貴様が裁いている、というのか」
「それが私の、正義です」

背後に立つユーリの指先がバーナビーの背中へと触れた。
指先で背骨を辿るとバーナビーの身体に力が込められる。
背後から胸元へと腕を回し、背中へと顔を寄せ、先程鞭打った背中の痕へ舌を這わせれば、バーナビーの背はしなり艶の混じった吐息が漏れた。

「ふっ…」

それ以上声が漏れぬよう、バーナビーは奥歯を噛み締めたが、ユーリにはしっかり聴かれていたらしい。

「随分と、気持ちよさそうですね……もっと嫌がって貰わないと、私は楽しくないんですが」

ユーリの指先が胸元の突起へと触れる。
肌寒さのせいもあり、既に硬く立ち上がってるそこを摘まれたかと思うと鋭い痛みが走った。

「っ……」

抓られたかと思ったが、そうではなかった。
長く続く痛みに視線を向けると、突起は銀色のクリップで挟まれていた。クリップの先には長めのチェーンが付いていて、両の乳首を繋いでいる。

「痛いですか?段々気持ち良くなりますよ」

ユーリの言葉通りだった。
最初は痛みだけだったが長く続くうちに痺れたような感覚へと変わり、チェーンが揺れる度にじんわりとした快感が広がり始める。
声は殺すことができても、身体に現れる変化を隠すことはできない。
遮る物なく晒されたままのバーナビーの性器は頭をもたげ、先端から蜜を垂らしていた。
まだろくに触れてもいないのに反応を示すバーナビーの恥態に、ユーリはほくそ笑んだ。
口角を上げると、バーナビーの形の良い耳へ唇を寄せる。

「こちらの素質があるんじゃないですか、ヒーローなんて辞めて性奴にでもなったらどうです?貴方なら稼げますよ」

口を開こうとしたが、心とは裏腹にすっかりその気になっている身体を持て余すバーナビーには、反論の言葉が見つからなかった。
無駄だとはわかっていても、反抗的な視線だけをユーリへと向ける。
その視線を受け流し、ユーリはバーナビーの腰へと腕を回した。

「な、にを……」

嫌な予感に腰を引くも、吊されたこの状況では逃げ場はなかった。
臀部に伝う、濡れた冷たい感触にバーナビーは身震いした。
脚を掴まれ、拡げようとする力に必死で抗うが、脚力が自慢の脚には全くといっていいほど力が入らない。
呆気なく脚を拡げられ、臀部の割れ目を撫でられた。

「うっ……」

蕾へと押し込まれたのは恐らく、ユーリの指先だろう。
バーナビーのその部分が柔らかく受け入れることを知り、遠慮なく奥へと押し込まれた。

「……随分と、慣れているようですね。お相手はワイルドタイガー、ですか」
「……!」

思わぬユーリからの指摘に、バーナビーは固まった。

「図星、ですか」

後悔したが否定しようにも、如実に態度で示し、肯定してしまった後では手遅れだった。

「……だったら、どうだというんだ」

すっかり居直ったバーナビーに、ユーリは楽しげに声を漏らし笑ってみせた。

「どうもしません。ただ…」
「ただ?」

ユーリが卓上に置いていたリモコンを操作すると、モニターに現在のバーナビーの様子が映し出された。

「これを見たら彼は、どんな反応をするでしょうね」

バーナビーの顔から、さぁっと血の気が引いた。

「……いつから、これを…」
「最初から回してましたよ、気付きませんでしたか」

すっかり青ざめ、言葉を失ったバーナビーに構わず、ユーリは次の段階へと作業を進める。
流石に脚を拡げようとすると抵抗を示したので、平手で遠慮なく尻を打った。
バーナビーの臀部には赤い手形が残り、ユーリの掌も熱くなったが結果としてバーナビーは自ら脚を開いた。

「おや、もう諦めたんですか?」
「……貴様がこの映像を、誰かに見せるとは思えない」

冷静に考えればその通りだった。
映像に映っている吊された男はバーナビーだと認識するに十分な解像度だったが、それは同時にユーリの姿も確認できるし、この部屋に置かれたルナティックの仮面やマントも同様だった。
この映像が流出して困るのは、ユーリも同じはずだ。
何が目的なのかは解らないままだが、ならばこんな茶番は、さっさと終わらせてしまえばいい。
殺される心配もないだろう、そうバーナビーは考えていた。

「私はワイルドタイガーに、私の正体が知れても構いません」
「なん…だと?」

ユーリの手がバーナビーの臀部の肉を割り開いた。
あらわになった蕾に、指などではない硬い無機質の感触が触れる。
無意識にバーナビーの腰が逃げたが、ユーリはそれより速くバーナビーの腰を引き寄せた。

「いや、だ……」



 
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