There is no one but you.
「んっ、……は、ぁ」
バニーはあまり、声を上げない。
恐らく抑えているんだろう。だけど抑え切れない声が時折洩れ出して、俺の耳を擽る。
苦しそうにも感じるがそれだけじゃない、甘さを含んだ声だ。
最初の衝撃が去り、少し余裕が生まれてくるとそんなバニーの様子が気になりだした。
そっと薄目を開くと、バニーと視線が絡み合う。
「
……なにお前、ずっと俺の顔見てたのかよ」
バニーがすっと、視線を反らした。
心無し顔が赤いような気がするのは、俺の気のせいだろうか。
「……目を閉じている間、何を考えてたんですか?」
「えっ?」
そんなことを聞かれても、困る。
お前より先にイっちゃわないように、必死に努力してたんだ、なんてカッコ悪くて言えないだろ。
「いいんですよ、他の人のこと考えたって。例えば、亡くなった奥さんのこととか」
言われて、初めて気が付いた。
バニーの視線の先には俺の薬指があった。
「ばーか、つまんねーこと気にしないで、お前は好きな奴のこと考えとけよ」
「…大きなお世話です」
バニーが突如、動きを再開させた。
腰を浮かせ、落とす。その度にバニーの体重が掛かり気持ちはいいが少し重い。
けどやはり気持ちイイ。
バニーの中はぴたりと、少しの隙間もなく俺のに密着してる。それが抜き差しする度に波打つように震える、身体も一緒に。もう限界が近いんだろう。
俺も、限界。
「は……、ダメだ、イきます…」
「あぁ、イけよ」
バニーが腰を落としてくるのに合わせて、下から突き上げてやるとバニーは身体をガクガク震わせながら達した。
「う、ぁッ……」
バニーの先端から飛んだものが少し、俺の顔に掛かった。
だけどその時は、俺もそれを気にするどころじゃなかった。
バニーの中がきゅうきゅうと絞まり、そのキツさに俺も思わずバニーの中でイってしまった。
「その、悪ぃ」
互いに乱れた呼吸が収まった所で、俺は中出ししてしまったことを謝った。
いや、俺が謝るのはおかしい気がするんだけども。
「気にしないで下さい、僕もその、すみません。顔、汚してしまいましたね」
なんだ、気付いてたのか。こんな時までバニーちゃんは冷静らしい。
「あぁ、こんくらい気にすんな」
へらりと笑いかけ、手の甲で顔を拭うとバニーが苦笑した。
「…途中から薬、切れてましたよね」
「あれ、バレてた?」
そう、実は目隠しなんて外してもらわなくても外せたし、途中で止めようと思えば止めれたはずだ。
それをしないで、動けないふりを続けたのは好奇心もあったけど俺は多分…。
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