There is no one but you.
「……早過ぎませんか、おじさん」
あまりの出来事に放心していた俺は、バニーの声で我に返った。
バニーの顔は見えないが声で表情は想像がつく。
俺が口の中に出しちまったもんは飲み込んでしまったんだろうか。
気になったけど恐ろしくて、とてもじゃないが聞けない。
俺が何も言い返せないでいると、バニーの溜息がそこにかかった。
「仕方ないですね」
溜息と共に再びバニーの口の中に包まれる。
俺のムスコが役に立てるかどうか内心不安だったけど、そんな心配は不要だったようだ。
バニーの舌技が目茶苦茶すげえってのもあるけど、まあ俺もまだまだ若い、ということで。
なんせヒーローだ、体力には自信がある。
再び元気になった所で、今度は暴発しちまう前にバニーの口から出された。
「一応確認しておきますけど、変な病気とか持ってないですよね?」
「持ってないけど……」
バニーが俺の上に跨がってきた。正直、少し重い。
それに、男同士ってことはその、後ろの方に入れるわけで。
俺はノーマルなセックスしかしたことないから、女とだってそっちの方は未経験だ。
なんかこう、微妙に、後ろめたい。
「なァ、バニー」
「ふ…、なん、です?」
さっきから息遣いとか、水音が聴こえてて何となく気付いてたけど、バニーは自分でそこを慣らしてるらしい。
俺は、ホントにすんの?って聞くつもりだった。
けど、吐息混じりの艶めいたバニーちゃんの声を聴いてしまったらそんなことは言えなくなった。
バニーとヤりたい。
「その、……無理すんなよ?」
「無理じゃ、ありません……僕が、したいん…です」
おそらくローションだろう、濡れたバニーの手に直で握られた。
「あの、さ…」
「少し、黙ってて下さい」
ゴム着けないの?って聞きたかったんだが遮られてしまった。
「んっ……」
小さな声を漏らしてバニーが腰を落としてきた。
俺のはもう、バニーの中、だ。
「う、わ……、バニー、その……大丈夫か?」
こんなに簡単に入るもんなのか?
もっと手こずるだろうと思ってた、いやむしろバニーは意地を張ってるだけで、こんなことに慣れてるわけがないって思ってた。
いや、フェラは上手かったけど、どこかで信じたくなかったんだ。
バニーが遊び慣れてる、なんて。
「意外と、若いんですね……おじさん」
「ンだよ…、悪ぃか」
「いえ、硬くて、凄くイイ、ですよ」
再び俺は叫び出したくなった。
だってあのバニーが、いつもツンッとお澄ましな、あのバニーちゃんが!!!
なんて恥ずかしいこと言うんだ、俺の方が恥ずかしいっつーの!
動揺しまくってる俺に構わず、バニーが腰を揺らし始めた。
「んっ……!」
バニーの中は狭くて、隙間無く俺のに絡みついてくる。
これは、結構、まずいかも。
「僕がイくまで、イかないで下さいね」
そんな俺の心境を読んだかのような絶妙なタイミングでバニーの声が降ってきた。
「う、…だって」
「だって、じゃありません。我慢して下さい」
「なぁ、バニー」
「もう、なんですか」
「目隠し、外して」
腰を揺らすバニーの動きが止まった。
「バニーちゃんの顔が見たい」
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