There is no one but you.
虎兎/1.2.3.4.5.6



「……早過ぎませんか、おじさん」

あまりの出来事に放心していた俺は、バニーの声で我に返った。
バニーの顔は見えないが声で表情は想像がつく。
俺が口の中に出しちまったもんは飲み込んでしまったんだろうか。
気になったけど恐ろしくて、とてもじゃないが聞けない。

俺が何も言い返せないでいると、バニーの溜息がそこにかかった。

「仕方ないですね」

溜息と共に再びバニーの口の中に包まれる。
俺のムスコが役に立てるかどうか内心不安だったけど、そんな心配は不要だったようだ。
バニーの舌技が目茶苦茶すげえってのもあるけど、まあ俺もまだまだ若い、ということで。
なんせヒーローだ、体力には自信がある。
再び元気になった所で、今度は暴発しちまう前にバニーの口から出された。

「一応確認しておきますけど、変な病気とか持ってないですよね?」
「持ってないけど……」

バニーが俺の上に跨がってきた。正直、少し重い。
それに、男同士ってことはその、後ろの方に入れるわけで。
俺はノーマルなセックスしかしたことないから、女とだってそっちの方は未経験だ。
なんかこう、微妙に、後ろめたい。

「なァ、バニー」
「ふ…、なん、です?」

さっきから息遣いとか、水音が聴こえてて何となく気付いてたけど、バニーは自分でそこを慣らしてるらしい。
俺は、ホントにすんの?って聞くつもりだった。
けど、吐息混じりの艶めいたバニーちゃんの声を聴いてしまったらそんなことは言えなくなった。

バニーとヤりたい。

「その、……無理すんなよ?」
「無理じゃ、ありません……僕が、したいん…です」

おそらくローションだろう、濡れたバニーの手に直で握られた。

「あの、さ…」
「少し、黙ってて下さい」

ゴム着けないの?って聞きたかったんだが遮られてしまった。

「んっ……」

小さな声を漏らしてバニーが腰を落としてきた。
俺のはもう、バニーの中、だ。

「う、わ……、バニー、その……大丈夫か?」
こんなに簡単に入るもんなのか?
もっと手こずるだろうと思ってた、いやむしろバニーは意地を張ってるだけで、こんなことに慣れてるわけがないって思ってた。
いや、フェラは上手かったけど、どこかで信じたくなかったんだ。
バニーが遊び慣れてる、なんて。

「意外と、若いんですね……おじさん」
「ンだよ…、悪ぃか」
「いえ、硬くて、凄くイイ、ですよ」

再び俺は叫び出したくなった。
だってあのバニーが、いつもツンッとお澄ましな、あのバニーちゃんが!!!
なんて恥ずかしいこと言うんだ、俺の方が恥ずかしいっつーの!
動揺しまくってる俺に構わず、バニーが腰を揺らし始めた。

「んっ……!」

バニーの中は狭くて、隙間無く俺のに絡みついてくる。
これは、結構、まずいかも。

「僕がイくまで、イかないで下さいね」

そんな俺の心境を読んだかのような絶妙なタイミングでバニーの声が降ってきた。

「う、…だって」
「だって、じゃありません。我慢して下さい」
「なぁ、バニー」
「もう、なんですか」
「目隠し、外して」

腰を揺らすバニーの動きが止まった。

「バニーちゃんの顔が見たい」



 
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