『ここは』
ああ、どうやら本当にトリップしたようで、気が付くとわたしはベッドの上に居た。
かすかに部屋全体が揺れているように感じるのは、おそらく、ここが船の中だからだろう。
ワンピースの世界なら、当たり前といっても過言ではない。
白いカーテンで仕切られている風景は、何となく、保健室を思わせる。または病院。
うん、わたし入院患者っぽい。
とりあえず、衣服の確認。
暁のマントは着たまま。巻物のホルダーは無事。クナイや手裏剣の入った袋も無事。
……おい、せめて持ち物検査ぐらいしろよ。敵だったらどうすんだ。
首から提げた指輪も無事だし、特に問題はない。
『すみませ〜ん』
「はいはい。あら、目が覚めたの？」
話しかけると出てきたスタイル抜群の看護婦さん。
船＋看護婦(しかも美人)
もしかして、って言うかもしかしなくても、
白ひげ海賊団の本船、モビー・ディック号ですか!!
「ちょっと待っててね、今、マルコさんを連れてくるから」
え、マルコさんってあのマルコさんですよね。
わたし、殺されるんじゃないですか?
や、不死身ですけど、そんなこと無視して殺されるんじゃないですか?
やっべ、今日がわたしの命日だわ。

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