イレギュラー | ナノ

 プロローグ 神様に少しだけ感謝してみようか

「何すんだいきなり!!」
『それはこっちのセリフだこの野郎』
「おまっ、神に向かってなんて口きいてんだよ」
『黙れ、神なんてクソリーダーだけで十分なんだよ』
そう、このウザイ白髪頭のジジィは神なのだ。それも、正真正銘の。
『ところで、何のよう?』
「うん、それなんだが、実はまたトリップしてもらうことになったんだ」
……ぱぁどぅん?
『せっかく生きる希望と目的を得たわたしに、また独りになれ、と』
「いや、流石にそんな酷な事はしない。
ほら、あの仮面の男―マダラ、だったけ―が、
世界を壊そうとしてるだろ?
それで、世界の自己防衛反応が働いたんだ。
普通なら運命の書き換えだけなんだが、ワシの悪ノリのせいで、
最強すぎるくらいに最強になったお前が居た。
丁度いいから、ついでに放り出そうとしてたんだよ。マダラと一緒に。
お前を、お前ら暁を、あの世界自身が、自分の中から」
『なっ』
確かにみんな利己的なところがあるが、それには、しっかりとした理由がある。
犯罪者になったのだって、事情があるのだ。なのに
『放り、出された』
「そうだ」
言った後で、神はニタリと笑った。
「だがな、このまま終わらせるには、お前らは面白すぎる」
『?』
「初めに言っただろう? もう一度トリップさせる」
『……どこへ?』
「お前の居た世界でいう、ワンピースという漫画の中だ」
ある程度知識があったほうが生活しやすかろう? そう言って、神様はまた笑った。
「さあ、そろそろ時間だ」
『ねぇ』
「なんだ?」
『ありがとう』
神様は目を見開くと、
「じゃあな」
そう言ってわたしをもう一度、世界へ堕とした。

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