イレギュラー | ナノ

 第十二話鷹さんと鰐さん

ドサッ

「「!」」

ドサドサドサドサッ

「べふっ」

現状説明。
ミホークの所という結構曖昧かつ限定された位置に移動しようとしてみたところ、着地に失敗。
最初の音でリーダーのみ落下。
そのあとわたし達が一斉に落ちて、現在ペインが下敷きになっております。
「誰だてめぇら」
……え。
あはははは。
目の前に鉤爪があるよ。
不思議だねぇ。
「さっさと答えやがれ」
なんでクロコダイルがああぁぁぁ
「おや、ミホークさん。こちらの方は誰ですか?」
「鬼鮫か。そいつはサー・クロコダイル。
俺の同僚のようなものだ」
「何だ、鷹の目。お前の知り合いか?」
着地に成功している動物コンビ+角都とゼツ、トビに小南姉さん。
残りのメンバーもさっさと立っている。
わたしも立ち上がって、マントについたホコリを払った。
と、言っても、室内はとても清潔だったのだが。
「お初にお目にかかる。
俺はこいつらのリーダー、ペインだ。
仲間が世話になった」
「お前が鬼鮫の言っていた奴か」
「ちょっと待て、鷹の目。俺に分かるように説明しろ」
ミホークは、わたし達が異世界から来たことを
クロコダイルに説明した。
サーは話を聞くと椅子に座り直し、新しい葉巻に火をつけた。
吐き出された煙が、静かに空中に溶けていく。
「で、何でここに来た?」
「ミホーク殿がいる所へ来ただけだ」
「なるほど、鷹の目の居場所に飛んできたら、偶然ここだったってことか」
ちなみに芸術コンビはMr.3と芸術について語り合っている。
イタチはダズにお茶と団子を出させていた。
残りのメンバーもそれに便乗してくつろいでいる。
『図々しいにも程があるでしょう』
「全くだな」
いつもはこうなったら鬼鮫が止めてくれるのだが、ミホークと剣の話で盛り上がっているので、無理っぽい。
だからと言って、さすがのわたしでも、この状況を片付けるのはちょっと……。
リーダーもお菓子をたかっている。
『申し訳ないです』
「……まあ、気にすんな」
優しいですね、クロコさん。
直後のため息はスルーさせてもらいますね。
『リーダー。次行くよ?』
「ああ、すまない」
結局、移動できたのはそれから30分後のことだった。
本当に申し訳ない。

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