イレギュラー | ナノ

 第一話白衣の天使と目つきの悪い南国果実

「目がさめたのかよい」
そのとき突如目の前に現れたパイナポー。
もとい、マルコさん。
『はい』
「じゃあ、突然で悪いが、お前らは何者だよい」
はいはい、当然の質問ですね。でも、
『お前ら? わたしの他にも誰か居るんですか?』
「橙色のグルグル仮面が居るよい。同じマントを着てるようだし、仲間だろ?」
おお、マダラだ。
『ええ、そうです。彼は目を覚ましたんですか?』
「いいや。それどころか腕を折っていて、直るのに三ヶ月はかかるそうだよい」
『うえっ』
おそらく、わたしの同じように気絶したままこっちに来たのだろう。
落とされる高さはそんなに高くないけど、
受身なんて取れなかったんだろうな、多分。
「本題に戻るよい」
そう言って、マルコはわたしの目を見据えた。
「お前らは誰だよい」
このときわたしは、かつてないスピードで考えた。
とりあえず、@トリップしたことは知ってる Aこの世界のことも知ってる BAは特別な能力のせいだとする
おっし。OK。
『わたしたちは異世界から来た、暁という組織です』
「異世界?」
怪訝な顔をされる。まあ、当然だろう。
『信じていただけなくても結構です。これ以上のことはトビが起きた後、エドワードさんに話します』
「お前、何で親父の本名を」
マルコの目に殺気が宿るが、この程度なら問題ない。
もっとたくさんの修羅場を経験してきたのだから。
『それがわたしの能力ですから』
「悪魔の実か」
『いいえ、わたしは泳ぎは得意なほうです』
何なら海に落としてもいいですよ。と笑った
「トビっていうのは仮面の名前かい?」
『はい。彼は今何処に?』
そう言うと、マルコはわたしの隣のカーテンを開けた。
わたしが寝ているのと同じようなベットでマダラが横たわっている。
添え木のされた左腕が痛々しい。
わたしはベッドから降りて立ち上がるとマルコの眉間のシワがよりいっそう深まった。
「何をする気だよい」
『治療です。黙って見てて下さい』
医療忍術をかけるためにマダラの腕に手をかざし、ゆっくりとチャラクを流し込む。
「う〜ん」
「!!」
『気が付いた?トビ』
目覚めたばかりの彼に、さりげなくトビでいるように伝える。
「あ、夜兎ちゃん」
どうやら分ってくれたようだ。
「ここ、何処?」
『異世界だよ』
「マジっスか」
どうやら腕以外、身体の異常はあまりないらしい。
「この腕は?」
『もう大丈夫だから、添え木とってもいいよ』
「ありがとう、夜兎ちゃん」
マダラが添え木を取ってわたしの頭をなでると、マルコは唖然とした。
「お前、何したんだよい」
『え?』
「少なくとも三ヶ月はかかるって船医は言ってたよい」
「っていうか、あんた誰っスか」
マダラの目が殺気を帯びる。
「俺は『マルコさんだよ』!!」
『白髭海賊団の一番隊隊長で、誕生日は10月5日』
そうでしょう?と笑いかけると、マルコさんは大きく目を見開いた。
『わたしは黒曜夜兎。暁のメンバーの一人です。
彼はトビ。暁のメンバーで、わたしとツーマンセルを組んいでます』
一息にまくし立てると、口を挟む暇を与えずに、わたしは続けた。
『さて、彼も起きたことだし、エドワードさんに会わせて下さい』
「……そんなに簡単に親父に会わせるわけにはいかないよい」
「マルコ隊長!! 女の目が覚めたなら、一度つれてくるようにと親父が!!」
マルコの顔が悔しそうに歪む
『では、行きましょうか』
わたしはもう一度笑顔を浮かべた。

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