sss | ナノ
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★カオスです。
★書きかけ倉庫
:: 2011/06/02 14:54

頬を撫でられる。
たったそれだけでぞくっと背筋を駆けたものに驚き、慌てた。

「で、えええ!?伝七?!」
「ん、何だ?」
「ナンかイツモとちがうんですけどぉ!?」

叫べど返るのはくすくすとした微笑ばかりで、雰囲気をがらりと変えた艶やかなる彼に団蔵はヘルプ!と壁際で静かに嗜んでいた左吉を呼んだ。

「さきっちゃんっ、さきっちゃーん!」
「うるさい何、だ…」
「助けて!どーしちゃったのこの子訳わかんない!」

左吉は少しだけ目を瞠って、団蔵に跨がる伝七を見る。
しかし数秒もしないうちに「お前の自業自得だ」と一蹴した。
まさかまさかの回答に、団蔵と、この事態を何とか丸く納めてくれるだろうと半ば安堵していた未だ酔っていない常識人の面々が硬直する。
何でだ、左吉と伝七は恋仲の筈、普通止めるだろ愛しい人が他の男に擦り寄ってるんだぞ!?
そして気付く。団蔵が恋慕し、伝七に熱を上げている兵太夫すらこの事態を気にも掛けず、というか左吉と酒を酌み交わしているのだ。
「ばっかじゃないの」と団蔵を嘲笑いながら。
何とも目を疑う光景だった。もしかして犬猿と称せるのでは?とまで常に冷戦状態の二人が向かい合って盃を傾けているとは。
いよいよカオスとなりつつある室内の一角にしか過ぎない彼らは、今まで不自然に静かだった伝七の、零れたような笑い声にはっと彼を再度見遣った。

「何だ、知らず当てたのか?どこまでも欲に忠実だな」
「あああ当てた、って」
「『僕の身体に合った旨い酒を飲ませろ、したらば相手をしてあげる』」

すぅと頬の皮膚だけをなぞる掌が産毛を逆立たせ、前髪を掻き分けて落とされたのは軽く触れる口づけ。
くすぐったいような、むず痒いような戯れに身を捩りながらも、目に映り、肌で感じる仕草ひとつひとつに魅入られる。
ただでさえ、あまやかな声にくらくらとしている脳への、それは。


遂に動けなくなり、自分を見つめる団蔵を、薄氷に佇む危うさを纏い、伝七は蠱惑する。
大人しく食われるんだな。小さく嗤った左吉にくるりと振り返り。

「どうせ食うなら、左吉を食べたい」

ぺろりと唇を湿らせながらとろけた瞳にひたと捉えられ、事態は又もや急展開へと転がり込むのであった。


飲みすぎ注意

年齢操作。多分五年か六年になった一年全員で酒宴。
ちびちび飲む伝七に気付いた団蔵が無理矢理大量に飲ませた結果。
伝七は気分が良ければ相手してくれる。旨い酒を飲んだら気分が良くなる。そんな感じでこの流れ。
左吉と兵太夫は若干ビッチな伝七にもう慣れちゃってる。あと本気じゃないことにも気付いてるから、困惑する団蔵を面白がる意味で放置。



:: 2011/06/02 08:05

同年齢の異性の、上半身だけとはいえ裸を目にした後輩らが年頃らしく視線を泳がす。が、ただ一人違う反応をした者がいた。
じーっと、じぃーっと見ているのだ。最早凝視と言った方が適当な程に、正しく穴が空くほど。
そして、あんまりの凝視っぷりに引かれつつある彼女はぽつりと呟いた。

「良いよなぁ、その腹筋。俺もそんくらい欲しい…」
「作、充分なかったっけ?」
「あるっちゃあるんだけどよ、まだ弱いからもっと欲しいんだ」
「そう?」

眼を瞬かせて不思議がり、自然な動作で伸ばされた手は、話しながら近づいてきた作の腹部を(勿論服の上から)すっと撫でる。
そんなにも自然に女子の腹部を触った孫兵に驚く目が向けられるが彼は一切気にしない。

「力入れてみて」
「ん、」

弾力を確かめるように押したり、手の甲ではたく。何度か繰り返し、拳を作った。
え、と周囲が思った直後に、それは彼女の鳩尾の下辺りを突いた。
作がきゅっと眉が寄せる。

「…ちょい痛い」
「ごめん。でもこれで充分だと思うけど」
「いんや、やっぱ孫兵くらいは欲しい」

ちくしょー男女差とか要んねえよくそくらえってんだ。
吐き捨てる作は男特有の固い身体と力強い筋肉をご所望である。
そして先程の孫兵と同じように拳を握った。
どん、と今度は孫兵の腹を突く。

「…痛えか?」
「少し」
「マジか。うわやっべ、腕力まで落ちてやがる」
「そんなことないと思うけど」
「んじゃ何で痛がんないんだよ」
「作が無意識に力弱めてるからだ」
「はぁ?んなこと…」
「作は僕に甘いから」

藤内と数馬にもだけど、と続けられ、作は言葉を詰まらせた。
曰く孫兵に甘いという自覚はあるらしい。

「因みに理想体型は?」
「三之助!」

むっとする作の意識を逸らすため変えた話題に彼女は簡単に食いついた。

「あいつ良いよな〜。超羨ましい…俺と三之助中身だけ入れ替わんないかな」
「…。三之助の身体に中身は作…強そうだね、凄く」
「だろ!?」
「でも作の身体に中身三之助ってなんか色々危ない気がする」
「あー…ま、そこんとこは俺らで守りゃ大丈夫だろ」


身体的に

現パロで孫兵と作♀。
二人は普通に触りっこ出来ます。



:: 2011/05/31 00:40

「…君は、私が曲者だということを本当に判ってる?」

ともすれば含みのありそうな、けれどもさらっと世間話でも持ち掛ける調子で投げ掛けられたそれに、小松田は何故かやはり照れた。
言っておくが決して褒めてない。
褒めてないのだが、それをわざわざ指摘するのも何故だが無性に馬鹿らしい。

「遊びにいらしてるんでしょー?」
「…。それはまた、何でそう思うのかな?」
「鶴町伏木蔵君が言ってたんですよぉ、『こなもんさんはすごくスリルなの〜』って」

あっそう。
雑渡はニコニコと笑う小松田の言葉を半ば聞き流した。
訊いておいて何だが、正直どうでもよかったのだ。

「それに、貴方が来て帰るまでの間に、この表から誰ひとりとして名前は減っていませんし」

だからこそ、不意に鮮明な響きで鼓膜を打った科白が少し意外だったのである。
雑渡の隻眼が、しっかりと手で持った小松田の入門表を射した。
ずらりと連なる様々な名前と筆跡はこの学園の過程を記し、何て無防備な―――

(おっと、)

そういうのを考えても答えなぞ誰が示すか。全く以て無駄だと思考を切り替える。
動物の足跡だろうか、時折模様のようなものが捺されているのには敢えて触れず、


小松田君と雑渡さん

突発。
単にこの表から〜を小松田さんに言わせたかっただけ。
我が家の小松田さんは門と塀付近では最強です。
雑渡さんの侵入なんてすぐ判っちゃいます。



:: 2011/05/27 15:20

『知らない』ことが嫌だった。
無知でいることが怖かった。
無知でいる恐怖に怯え続けるくらいなら、知って傷つく方が良い。
たとえそれが、知らない方が良かったと後悔する程のものでも。


無知であること

個人的な一年い組イメージ。


:: 2011/05/22 02:18

「落ち着きぃ、七ちゃん。そんな呈では忍びとして失格さね」

穏やかに叱咤する、その声はいつものように艶やかで。
縋るような仕草で装束を掴む指先の、あまりにか弱く頼りない感覚に、喉の奥が熱くなった。
そっと解かせた繊手を後ろ手に捉え、数拍を置いて我ながら大層ぎこちなく振り返る。
血の浸みた着物も、乱雑に斬られてしまった黒髪も、今は包帯で見えない首許も。
見た瞬間、頭の中をぐるぐると渦巻いていた科白が全て真白く溶けて。

「美しいのに、」

結局紡げたのは一言だけれど、彼女は嬉しそうに微笑んだ。
言われ慣れた台詞だろう、聞き飽きた言葉だろう。
なのに伝七からのそれらは決してお座なりにしない。


花を手折らせぬ、

実家でなにかがあった模様。


:: 2011/05/19 15:27

「俺に夕食を作ってくれ!」

心底切羽詰まったような顔でそう言うものだから、余程お腹空いているんだなと思い、

「インスタントで良い?」

三分で出来るし。
そう返せば何故か作兵衛は全てに絶望したように固まった。



「…え。…もしかしなくても、それがきっかけで付き合うようになったの?」
「うん。まさかプロポーズだとは思わなかったから、あの時は何であんな反応だったのか判らなかったけどね」
「…うん、まぁ、それじゃあ、ね、…え?うーん…え、まこは結局、作兵衛が好きなの?」
「え?あぁ、うん。好きとか嫌いとかはまだよく分からないけど、絆されたのか何なのか、今は作兵衛の傍にいることが一番落ち着くよ」
「そ、う…」


プロポーズから始まったお付き合い

そんな始まりな作孫♀はどこにありますか。
そして作兵衛超頑張ってる。



:: 2011/05/12 11:28

「作、」
「留三郎先輩」

留三郎が喜三太としんべヱを抱き上げたのとほぼ同時に、作兵衛は足に纏わりついたままの平太を同じく抱き上げる。

「すまんが作、昨日のアレは出来たか?」
「はい。あとは吉野先生に提出するだけです」
「そうか」

肩辺りの服を掴む手をやんわりと離させ、首に回させれば恐る恐る両腕がしがみ付いた。
ぎゅうっと抱き着く平太の背を撫でながら、問われるそれらに答える。

「それとあのやつは…」
「それも修繕済みです。ただちょっと不安な部分もあるので確認お願いします」
「ああ、わかった」

歯切れの良い応答に満足そうに笑う留三郎は、肩に担ぎ上げた二人が平太に手を伸ばしたことに気付き、その手が届く位置に移動してやる。
丁度作兵衛と背中合わせになると、身長差からの間を埋めようと三人共が互いへ身を乗り出すものだから、結局は向かい合せになって自分よりかは小さな身体をくるりと反転させた。

「へーたぁ」
「ぎゅー」
「ぎゅー…」

あぁなんて可愛いんだろうか。
そう思っているのが丸解りなデレデレと顔面崩壊している留三郎から何気に視線を逸らしつつも、可愛いのは否定しないと作兵衛も微かな笑みを零す。


家族ですか、託児所ですか

現パロで用具。
夫婦と子供達or父を支える長女と弟達。



:: 2011/05/08 01:49

「富松?…ああ!留ちんの嫁か!」
「違いますー作は俺ら三年の嫁でおかんで姉ですー」


嫁、母、姉?

食富では嫁、三年富では全部。
因みに話してるのは小平太と三之助。



:: 2011/05/06 20:01

「まご…」
「どうしたの、作」
「まご、どうしよ……おれ、嫁に行けねぇ…!」
「…何があったのかは後で聞くとして…作、僕のとこに嫁げばいいよ」
「え?」
「僕のお嫁さんになればいいよ」
「え、っと。…あー…いや、気持ちだけ受け取っとくわ。お前の正妻と争うつもりも勝機もねぇし」
「ジュンコは君も好きだけど」
「知ってる。だから邪魔したくないんだってば。俺は孫兵とジュンコのカップル好きなの」
「作…!」


お嫁に来ませんか

孫ジュン作♀


:: 2011/05/06 19:58

「さぁく」
「あぁ!?」
「よそ見だぁめ」

三郎次の胸倉を掴む作の首を自分に向けさせ、口づけた。
場の空気が固まる。
するりと滑り落ちるようにして三郎次の胸倉を離した手が、次の瞬間。

ボガッ
バキッ
ガンッ
カンカンカンッ

ゴングの音が聞こえた。勿論幻聴で。

右頬、左頬、顎とまともに技を食らって倒れ伏す三之助を見つめる作の目許は前髪の影で見えない。
異様なオーラを纏う作に、周囲にいた者達がズザザッと後退りする中、どこからか現れた左門が突進するように抱き着いた。
驚く作に笑いかけ、ぐりんっと顔を三之助へと向ける。

「作にちゅーしたから三之助は三日間触るの禁止だぞ!」
「っえ!?ちょ、むりむりむりっマジで無理ご勘弁を左門様!」
「ならん!!」

ガクリと膝を折り、手をついて三之助は絶望に打ち沈んだ。

「やらなきゃいいのに」
「我慢覚えなきゃね」

くすくすと微笑みながら、まこと数実が作の両腕に自分達のそれを絡めて身体を寄せる。


独占欲が止まらない

次富♀もどきの富松♀愛され


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