はあ…と吐かれた溜息に振り返る。作の視線が追うのは、いかにも女の子らしい甲高い声で友達と笑い合っている多分違うクラスのヤツ。 何で、と。ただただ、愕然としていた。
ずっと俺らのことだけ考えてればいいじゃんか。 何であんな女のことなんか思い浮かべるの? 何で俺らを見ないで、関係ないヤツのこと見てるの?
嫌だよ、ねぇやだから止めてよそんなこと。
悩ましげに寄せられていた眉間の皺が薄くなる。 腕を引き、両手できゅっと握ったから。甘えたら微かだけれどふと和らぐ瞳は、俺らだけの特権でしょ?あんな女なんかに、やらないよね? ねえ、約束してよ。約束破んないでよ。作は誠実で、だからこそ安心してたのに、
(でも約束を憶えてないんじゃ仕方ない)
元通り、は無理?
転生現パロで作兵衛と三之助。高校生くらい。記憶無い作兵衛と記憶ある五人。三之助と孫兵が♀。 中学の時に再会して、高校上がるまでに何とか昔と大体同じような関係まで持ち込んだけど、肝心の作兵衛は見ているだけで幸せという淡い恋心を小学生からただ一人の女の子に持ち続けている。
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