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★カオスです。
★書きかけ倉庫
:: 2011/09/04 14:37

はあ…と吐かれた溜息に振り返る。作の視線が追うのは、いかにも女の子らしい甲高い声で友達と笑い合っている多分違うクラスのヤツ。
何で、と。ただただ、愕然としていた。

ずっと俺らのことだけ考えてればいいじゃんか。
何であんな女のことなんか思い浮かべるの?
何で俺らを見ないで、関係ないヤツのこと見てるの?

嫌だよ、ねぇやだから止めてよそんなこと。

悩ましげに寄せられていた眉間の皺が薄くなる。
腕を引き、両手できゅっと握ったから。甘えたら微かだけれどふと和らぐ瞳は、俺らだけの特権でしょ?あんな女なんかに、やらないよね?
ねえ、約束してよ。約束破んないでよ。作は誠実で、だからこそ安心してたのに、


(でも約束を憶えてないんじゃ仕方ない)


元通り、は無理?

転生現パロで作兵衛と三之助。高校生くらい。記憶無い作兵衛と記憶ある五人。三之助と孫兵が♀。
中学の時に再会して、高校上がるまでに何とか昔と大体同じような関係まで持ち込んだけど、肝心の作兵衛は見ているだけで幸せという淡い恋心を小学生からただ一人の女の子に持ち続けている。



:: 2011/09/04 14:17

あれはいつのことだったか。
変装の一環だと、仙蔵先輩が花魁に化けたことがある。
流石作法委員長というか、仙蔵先輩というか。委員会活動の最中で見目の良いものに慣れきった自分達でさえも素直に感嘆を漏らす程の出来。

先輩は伝七に意見を求めた。
伝七の実家が女郎屋だからだろう。
他者の出自に興味なんて無かった当時の僕でも、耳に入って覚えているくらいにはそれは有名だった。

遠慮は一切要らぬと強いられ、先輩相手にそんなこと、と惑っていた伝七の目が変わった。
一転して感情の消え失せた真摯な眼差しが仙蔵先輩を静かに査定する。

「振袖新造までの変装でしたらそれで十分すぎる程です。ですが、太夫や花魁としての装いなら、新米です」

きっぱりと言い切った伝七に、では玄人にしてみろと愉しげに続ける仙蔵先輩。まるで自身をもっと高みへ据え置けるという後輩の実力と成長過程を見れるのが心底嬉しいとでもいうかのよう。
伝七は怯んだように口を結んで、丁度鐘が一つ鳴り終わる沈黙の後に緊張した面立ちで頷き、まずは顔から直すのか、慎重に化粧の濃さを付け足したり薄めたりし出した。





そうして、約二刻。

「…今の僕では、これが、精一杯です」

終わって、正直見違えた仙蔵先輩を前に、あろうことか伝七はそう言った。
同じ室内にいるだけで頭の芯がぼーっとしてしまう程の凄絶な色香を真正面から相対して尚、物足りないのだと宣う。
悔しそうに目を伏せて、身体の側面に垂れる握り拳は震えている。
仙蔵先輩の魅力を充分に生かせなかったからだと、尋ねた藤内先輩にそう答えていた。


艶やかな華模様

作法委員会。やってみたかった。
綾部はどっか穴掘りか任務に行ってるんだと思います。



:: 2011/08/24 22:23

・・
あの伊賀崎孫兵なんて存在、作には高嶺の花なのに。

…嘘。
ああいう奴ほど、時間さえ多く一緒に過ごせば作に惹かれるって知ってる。
まぁでも、

「っいたぁ!!んの馬鹿之助!!」

追いかけて、見つけて、殴って、心配して、手を握って。
一緒に帰ってくれるのが変わらないんなら、孫兵と想いを通じ合わせても文句言わねーよ。


ヤキモチは焼くけど。

孫作♀に対する、三之助の。


:: 2011/07/11 23:08

何故か昔から、そう、それこそ物心ついた頃から、ある約束が頭から離れない。

お前はあいつに、男と、夫としての幸せを。
俺は、生まれ変わったら、女になって、あいつの子を産んで、父としての幸せを。
紅い面影とこっそり交わした約束。
お前って誰、あいつって誰だ、生まれ変わったらってつまり前世とかそんなもん?女になってってことは男だったってか?紅い面影とは?
ぼんやりと上の空で考える。考える。考える。

「……さく、べえ?」

答えが無い、それは今までの話だったらしい。
不思議と驚かずに振り返れば、これまた、そこらの女子が黙っていられない程の美少年がその表情を驚愕に彩らせ、こちらを凝視していた。
涼しげな襟元から、紅い何かが覗く。しゅるりと艶やかに、嫋やかに。
何かが、頭の中で弾けた。

「…よぉ、久しぶり」
「……!」
「孫兵。今度こそ俺、お前の子を孕めるぜ」

ニヤリと笑んでやると、伊達にロマンチストじゃないこいつは綺麗な涙を綺麗に流して俺を抱き締めた。


今度はね、上手くやれるわ

孫ジュン&孫作♀。
孫兵とジュンコは元々記憶あり。作は孫兵に会って記憶が蘇った。



:: 2011/06/13 18:13

目前の胸を両手で弱々しく押し返しながら脱け出そうと身じろぐ作兵衛を抱き潰すことで富松は抑えつける。

「やめんぞ」

半ば条件反射で言い返せば腕の中の身体がびくりと震えた。

「………、…………ゃだ」
「あ?」
「…いやだ」
「なら黙っとけ」

一つ大袈裟に溜息を吐き、富松はただ作兵衛を抱き続けた。


パラレルワールド3

原作富松×アニメ作兵衛第三弾。


:: 2011/06/13 18:12

ふぅ、と息を吐く。

「…不確かが怖いのは性分なのか」

強がっていても隠しきれていない震えを見据え、濡れた睫毛に口づけた。


パラレルワールド2

原作富松×アニメ作兵衛第二弾。


:: 2011/06/13 18:11

「何で泣くんだよ」

そう言って顔を顰める。
富松を窺っていた作兵衛は、その深く寄せられた眉間の皺や眇められた眼にびくりと肩を跳ねさせ、更に身体を強張らせた。
悲鳴を喉の奥に押し込み、口を噤む。

(…怖い)

真っ直ぐに射抜いてくる双眸が怖い。
何もかも解っているとでも言うかのように的確に自身を宥めていく手が怖い。
口数は少ないのに伝わってくる雄弁な雰囲気が怖い。
馬鹿みたいだ。自分が怖いだなんて。
…そして、何よりも、目の前の自分に嫌われるのが怖い、なんて。


パラレルワールド

原作富松×アニメ作兵衛。
俺得でしかない。



:: 2011/06/13 18:10

慌てて腕で拭う。
しかし溢れるそれは拭っても拭っても止まりやしない。
更に泣きたくなる作の腕を、孫兵は優しく掴んだ。

「作、目が痛むよ」
「…うっせぇ」
「作、」
「女の涙がどれだけ卑怯なのかぐらい知ってらぁ…!……っもう、学んだんだ」

頑なな態度に、仕方ない、と孫兵は行動に移ることにした。
綺麗な鎖骨の窪みに鼻先を埋め、肌に唇を押しつける。
驚いたのかぴたりと止んだ抵抗を好い事に、


埋められない溝

続きが書けないorz
転生現パロで孫作♀です。



:: 2011/06/13 18:08

とん、と先端が渦巻く靴が磨き抜かれた大理石に着く。
紙面に目を通していた左吉は、その微かな音に端正な面を上げた。
月明かりを背に、漆黒の衣と赤い髪がその光を浴びて艶めく。

「…おかえり、伝七」
「ただいま、左吉」

控えめに名を紡げば、音叉が共鳴するような声が答える。

「成功したよ、左吉。城下ならず近隣国にまで、君の悪名が知れ渡った」
「そうか」

良かった、と。息を吐く彼に、すぐ傍で立ち止まった魔法使いはすっと大きな瞳を細めた。

「…本当に良かったのか?」
「ああ」

静かに、再度気を配る伝七に彼は何の躊躇いも無く首肯する。

「これで、もうすぐこの国は終わる」

廃れた卑劣な歴史に終止符を。
何とも言えない顔で見つめる伝七に気が付き、左吉は寧ろ不思議そうに瞬いた。
どうしたと訊き、無言で首を振る魔法使いへ微笑みかける。

「これが終われば、約束の対価はちゃんと支払う」

そういうことじゃない。そういうことじゃ、なくて…。
せり上がった言葉を寸でで飲み込み、伝七はいつものように笑った。
細い腕が左吉の首に回され、左吉はその身体を優しく抱き締めた。
伸ばされた手に杖を持っていない事を目敏く見ていた彼は、全く、どうしてこんなにも無防備な姿を晒してくれるんだろうと内心で嘆息する。

「僕の魂、で良いんだよな?」
「うん。左吉の魂が欲しい」

だから、こんな『願い事』を聞き届けたのだ。
何よりも欲したものが手に入るならば、多少その欲した者が傷付いても良いと思える程に、ずっとずっと切望して止まなかったもの。
もう、どんな事態が起ころうとも引く気はない。

「この僕の心を魅了したんだ、自信を持て」
「ほんとだよ」

怜悧な声が空気を切り裂く。
はっと身構えた左吉に反し、伝七は酷くゆっくりと振り返った。
美妙な顔に冷たい無表情を嵌めて。

「伝七の心を掴んだのが、そいつ?何の冗談?笑えないね」
「―――…笹山」
「たかが人間如きが伝七の心を射止めただなんて」

しっかりと施錠した筈の窓が開け放たれて、丸く波打つカーテンから姿を見せたのは、伝七とは異なるデザインのローブを身に纏った美丈夫。
薄く浮かべられた笑みが妙な凄みを醸して二人を威圧する。




人間の左吉と人外(魔法使い)な伝七と兵太夫で左伝←兵。


:: 2011/06/06 15:42

「俺らが取ってるんじゃないよ」

池田の眉が跳ね上がる。

「作が俺らを選んでるんだ」

作の中で、お前は俺らより下。


選択肢

迷富←池田。


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