ホワイトデー
2014/05/14 09:11

「なぁ、今年のホワイトデーのお返しにな…」
「ホワイトデー?あぁ、気にしなくていいよ、そんなの。チョコあげただけだし」
「いや…」


クロムが珍しく歯切れが悪いから、お返しが思い付かないとか、今月お金がピンチだとかなんだろう。
大体、3倍返しっていうのがおかしいんだよ。
お返しもらうのが前提のプレゼントなんてあんまり好きじゃないな、僕は。



「その…お前が嫌でなければ、なんだが…」
「何でもいいよ、僕は」


それでもまだ緊張気味のクロムは、大きく深呼吸をして、意を決したように口を開いた。




「真っ白なタキシードでお前を迎えに行くから、真っ白なドレスで待っていて欲しい」
「ん?…え?ホワイトデーだから?ホワイトなだけに?」
「それで、その…」
「いいけど…何で?」
「だから…」



何なの、どうしたの。
今日のクロムは何か変だ。


するとまた大きく息を吐いた。






「俺の苗字をもらって、これから一生それを名乗ってくれないか?」





あぁ、今年は3倍返しどころじゃないな、なんて冷静に思った。







勿論返事はイエスでしょう。





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