Kissからはじまるミステリー
※SHに触発された探偵パロ
※モブシズ要素(女の子との絡み含む)有り

依頼人は、今時風ではないが整った面立ちの優しそうな女性だった。臨也と静雄の二人が部屋に入ると、律儀にも席を立って頭を下げる。さらりと胸元に流れる髪は、ナチュラルな栗毛色で少しカール掛かっていた。
「相川ゆかりさん、ですね。初めまして。この度、担当させていただきます折原と申します」
笑顔で名刺を差し出す臨也に目礼を返し、ゆかりはその後ろに控える静雄へと目線を向けた。
静雄が「平和島です」とだけ短く告げると、三者はそれぞれソファへと腰を据えた。女性に向かい合うようにして、テーブルを挟んだ対面に静雄と臨也が並ぶ。
臨也は手にしたファイルを開き、帝人が用意した資料へと視線を落とした。
「大まかなお話は、事務局の者から伺っております。ストーカー被害に遭われているそうですね」
「……はい」
「相手にお心当たりは?」
 わずかに逡巡したのち、ゆかりは小さく首を振った。
「分かりません……。最初は、気のせいだと思っていたんです。誰かに見られているような気がするのも、頻繁に掛かってくる非通知の電話も…きっとただの間違いで、私の思い過ごしだって。けど、どんどん露骨になってきて…最近では、帰宅途中に誰かにつけられたり、ポストに切手のない手紙が入っていたりするようになって……私、こわくて」
「警察に相談はされましたか?」
「はい。けど、相手が分からないんじゃどうにも出来ないって、にべもなく……」
 法律が改正され、ストーカーに対する規制は以前より厳しくなった。しかし、それはあくまでも相手が特定できている場合にのみ力を持つ、穴だらけの法令でもあった。
ストーカーは、おおまかに分けると二種類の人間がいる。元々は交際相手、もしくは交友関係にあった相手が未練からつきまといを始めるケース。これは比較的対処が簡単で、証拠さえ揃えてしまえば警察も介入しやすい。
問題なのは、今回のように「相手がどこの誰かも分からない」という場合だ。犯人の特定までに時間がかかる上、どんな爆弾が対象者にはりついているのか、蓋をあけるまで分からない。
「なるほど、ね」
臨也はボールペンの先でコツコツとファイルを叩き、小さく唸り声を上げた。
確かに、少々手こずらされそうな案件ではある。綿密な段取りと調査、最悪の事態に備えての守りの力。そういったバランスを考えれば、自分と静雄が抜擢されたことにも納得がいく。
(見たところ、依頼人も消耗しきっているし。あまり時間をかけない方が良いかな)
依頼人の生活に密着し、まずは相手を特定する。その上で、そいつが確実に「黒」である証拠をいくつか押えたいところだ。
脳裏に浮かんだプランを整理する臨也の傍らで、それまでじっと黙りこくっていた静雄が口を開いた。
「あんた、大丈夫か」
背もたれから身体を起こし、彼はゆかりにまっすぐ向き合うように居住まいを正した。
「顔、真っ青だぜ。くまも酷ぇな」
「……ここのところ、あまり…眠れてなくて」
前のめりに身体を乗り出した静雄に、ゆかりは青白い顔を隠すように俯く。膝の上で握りしめられていた細い指が小刻みに震えているのを見て、静雄は眉間の皺を深くした。
「安心しろ。すぐに解決してやる」
「ちょっと」
勝手なことをするな、と牽制の意を込めて睨み付けるが、静雄はまるでおかまいなしに席を立った。
色あせたジーンズのポケットから、これまたクタクタになった財布を取り出すと、あまり使う機会のない名刺を抜き出す。うつむいたままの少女の元へ歩み寄り、静雄は彼女の傍にかがみこんだ。
「犯人を特定するまでは、俺があんたの傍にいてやる。そうだな……友達か恋人ってことにでもして、外出中は極力一緒に行動した方が安心だろ。ちっと料金はかさむかもしれねぇが、早めにカタつけるからよ」
端のよれた名刺を受取り、ゆかりは黒目がちな両目を大きく見開いた。池袋の生ける伝説とも呼べる『平和島静雄』の名に驚いているのか、はたまた噂に名高い怪物のフランクな接し方に好感でも抱いたのか。
緊張と不安からこわばっていた彼女の頬が、年頃の娘相応にほんのりと桃色に色づく。臨也は長い溜息を吐き出し、手にしたファイルを荒っぽく閉じた。

♂♀

「シズちゃんってさぁ、彼女とか居たことないよね?」
「あ?」
大振りのメロンパンに今まさにかぶりつこうとしていた静雄は、不本意ながら此度の仕事で相方となった男の突拍子もない一言に身動きを固めた。
昼食とも夕食とも言えない時間帯ではあるが、日が落ちた後は時間が取れない可能性が多い。普段は張り込みなどしない臨也にはどうにもそのあたりのさじ加減が分からなかったが、静雄のようにコンビニやファストフードの食事で空腹を埋める気にはなれそうにもない。
「依頼人の扱い。――というか、女の子の扱いに関して、ずいぶんと手馴れてるなぁと思ってさ」
臨也の中の『平和島静雄像』は、池袋の町で暴れまわる怪物のイメージのまま凝り固まっている。
同じ事務所に所属しているとはいえ、接点はめっきりと減ったし(それでも気まぐれにからかいには向かうのだが)そもそも仕事上のポジションが違うものだから、彼がどんな風に探偵業に従事しているのかは知らなかった。
だから、依頼人の精神状態を即座に察知して、彼女があの場で一番ほしいであろう言葉を自然と吐き出した静雄に、臨也は少なからず驚かされた。
彼が元来まじめで、穏やかな気質の人間だということは理解しているつもりだ。それがどうにも面白くなかった臨也がちょっかいさえかけなければ、静雄にはもっと違う人生が待っていたのだろうことも。
例えばそう、相川ゆかり。彼女のように控えめで己を主張しない凡庸な女が、隣に寄りっていたのかもしれない。
「……化け物のくせに」
腹の底に広がるムカムカを、言葉に乗せて吐き出す。
ハンドルの淵をトントンと指先で叩く鈍い音をBGMに、静雄はお預けさせられていたメロンパンにかじりついた。
「女だとか、関係ねぇだろ。手前が何にイラついてんのかは知らねぇが、あの場じゃあれが正解だった」
確かに、静雄の対応はほぼ完璧だった。
新羅がよりにもよって臨也と静雄を組ませた理由、依頼人の状況、今後の動き――すべてを鑑みれば、百点満点に花丸が付く。臨也はそれを理論的に導き出すが、静雄のそれはおそらく直観的なものだ。
かねてより臨也は、正臣や静雄の所属する調査部に転属希望を出していた。オフィスで依頼人とやりとりをすることも嫌いではなかったが、より多くの人間に触れることができる調査員は臨也にとってこれ以上なく魅力的に思えた。
それがこのタイミングで叶ったのは、純粋に人手不足だったことと、今回の依頼の危うさを物語っている。
依頼人の身の安全を確保することはもちろん、何かのきっかけで静雄が暴れ出した時に、正臣では対処が難しい。
そういった理由から水と油の関係である二人が選抜された、ということらしいのだが――このあたりの事情は後づけで、どうにも幼馴染の思惑が絡んでいるような気がしてならなかった。

「そろそろかな」
腕時計に目線を落とし、臨也がぽつりと呟いた。
新宿のオフィスビルで働く彼女は、定時きっかりに仕事を終え、自宅最寄りの駅に帰ってくる。ここ三日ほど、臨也と静雄はあらかじめ駅前につけた車中で待機をし、めぼしい人物のチェックと依頼人の送迎という地味な作業を繰り返していた。
「んじゃ、行ってくる。適当に車回しとけよ」
ゆかりが改札に現れる頃合いを見計らって、静雄は車を降りて彼女を自宅まで送り届ける。陰から護衛するのではなく敢えてその姿を晒すことで、ストーカーからのアクションがあれば儲けものなのだが、今の所目立った変化は見られなかった。
改札をから現れたゆかりは、春めかしい花柄のワンピースに身を包んでいた。風で揺れる髪の毛を気にしながら、静雄の姿を探して視線を彷徨わせている。
(あーあ、シズちゃんが期待させるようなこと言うから)
 再び湧き上がる胸焼けのようなものに、小さく舌打ちを鳴らす。
「ん」
助手席のドアを開けかけた静雄は、ふと何かを思い出したように足元のコンビニ袋を探り――手に取ったもので臨也の脇腹をつついた。
「わ、何だよ」
「やる。送りの後は自宅周辺の張り込みだろ?長くなりそうだから、しっかり目ぇ覚ましとけよ」
一方的に告げると、静雄はさっさと車から降りていってしまった。車道を横切り、改札口へと小走りに向かっていく背中をぼんやりと見送る。一足早く到着していたらしく、きょろきょろと辺りを見渡していたゆかりは、静雄の姿を見つけると安堵の表情を浮かべた。
軽く手を振りあって二言三言交わすと、二人はそのまま駅から遠ざかっていった。ごく自然なその後姿を見送りながら、臨也は複雑な表情で手の中の缶コーヒーを見つめた。
「これ、甘くて苦手なんだよねぇ」
プルタブを起こして一口煽ると、ざらついた甘みが口の中いっぱいに広がった。甘党のあの男らしいな、と口元を緩め、臨也はゆっくりと車を発進させた。

♂♀

外での張り込みや尾行には随分と慣れたが、報告書をまとめる作業が静雄は未だに苦手だった。
その日に集めた情報を、あらかじめ用意されているエクセルシートに時系列で打ち込んでいくだけなのだが、つたない手つきでキーボードを叩いていると、疲れきった身体がまどろみ始めるのを止めることができない。
しょぼつく目元を指先でおさえ、時計に目をやる。
帰社したのは二十二時前で、その時はまだ事務所内にはちらほらと人影があったはずだ。いつの間にかタイムワープしてしまったようで、時刻はもうすぐ日付を跨ごうかという頃合に差し掛かっていた。
「あー……くそ、眠ぃ」
大きく伸びをしながら、ふと辺りを見渡してみる。入口付近の電気は落とされており、静雄の席の周辺だけ、まるでスポットライトでも当てたようにぽっかりと明るかった。
半分ほど中身の残ったマグを片手に、給湯室へと向かう。煮詰まったコーヒーは眠気覚ましには最適だ。
生あくびを繰り返す静雄は、ふと、会議室の並びの部屋から黄金色の明かりが伸びているのを見つけた。『コンタクトルーム』と表札の入ったその部屋は、依頼人との打ち合わせや来客の対応に使われる一室だった。さすがにこの時間に社外の人間は居ないだろうと思いつつ、扉を押し開く。
「臨也か」
ここ数日ですっかり見慣れたスーツ姿の男の背に向け、あくび混じりにその名を呼ぶ。
「手前、こんな時間まで何してんだ」
 断りもなくずかずかと部屋の中へ足を踏み入れ、臨也の肩ごしにパソコンの画面を覗き込んだ。まさかこの男が報告書なんてつまらないものに、ここまで時間を取られはしないだろう。静雄は訝しみつつ、ディスプレイを見やる。
「なんだ、こりゃあ」
「ボディブック、知らない?今流行りのソーシャルネットワークサイトだよ。世界中の人間と交流したり、トレンドの情報を拾い集めたり……まあ、君みたいなアナログ人間にはピンとこないかもしれないけど」
「手前はいちいちムカつく野郎だな」
静雄が眉間に青筋を立てるのと同時に、彼が手をつくオフィスチェアの背もたれがボキリと折れ曲がった。臨也はわざとらしく肩をすくめ、再び画面へと顔を向ける。
「見て」
すらりと細い指で、画面の一点を指差す。
促されるまま視線を向け、静雄はわずかに瞠目した。
「こいつ……」
有家 太一、と太字で表示される名前の横には、四角い枠の中で温厚そうな笑顔を浮かべる男の写真が表示されていた。几帳面に切りそろえられた前髪と、きっちりと締めたネクタイは、プロフィール欄に並ぶ経歴相応の固い印象をそのまま表している。
「こういう人間が犯罪を犯したりなんかすると、関係者は『こんなことをするような人じゃない』とかってこぞってコメントするけど。そもそも人間の本質を、外見で推し量ろうなんていうこと自体が馬鹿げてるのさ」
べらべらとまくしたてる臨也の御託を聞き流しながら、静雄は画面を注視した。
ストーカー案件の調査は、今日でちょうど一週間目に突入したところだ。目に見えた進展があったわけではないが、依頼人と行動を共にしていた静雄は、彼女の最寄り駅でたびたび見かける男が居ることに気づいた。
「こいつ、今日も居たぜ。駅に」
「うん、俺も見た」
改札の脇で、券売機の前で、傍らのコンビニの喫煙所で。男はごく自然に周囲の景色に溶け込んでいる。同じ時間、同じ場所。当然、見たことのある顔ぶれがあってもなんら不自然ではない。
しかし、この男は何かが違う。静雄はそう確信していた。
臨也は表立って同行はせず、二人の様子を離れた場所から監視していたのだが、静雄が感じた違和感を彼もまた察知していたのだろう。
「どうやって調べた?」
「んー……、企業秘密、かな。それより、これ見てよ」
マウスに手を伸ばした臨也は、カチカチッと軽快な音を立て目の前の画面を切り替えた。
ボディブックのページからリンクされている別サイトへ。新しいウィンドウを全画面に切り替えると、臨也はマウスポインタで「ここ」と示した。
「何だ?」
「ツイッティア。さっきのボディブックと似たようなものだけど、気軽に発言できる分、色々と厄介なツールだね。普通の人間は『何を食べた』とか『どこに行った』だとか、当たり障りないことを呟くだけのツールだよ」
ネットに明るくない相棒に向け、臨也は噛み砕いた説明をする。食い入るようにディスプレイに顔を近づけた静雄の鼻先で、すぐ傍にある臨也の香水の香りがふわりと漂った。
「で、これがコイツの呟きか?」
「そう。日付けと、発言内容見てみて」
 ずらりと並んだ文字列に頭を痛めながら、静雄は言われた通りに画面を読み流していく。
 
 仕事終わり。今から行くね
 そのスカート、凄く似合ってるよ
 新しく出来たケーキバイキング、次の週末に行こうか
 甘いものを食べている時の君の顔が好きだ
 けど、ほどほどにしないとね
 こないだ二キロ太ったって言ってたばかりじゃない
 僕はどんな君でも愛せるけど

 ・
 ・
 ・

投稿時間は、彼女をマンションに送るまでの間の時間帯だった。静雄は画面の中程まで遡ったところで、背筋に薄ら寒いものが走り、それ以上読むのをやめた。
五分程度の間隔で絶えず流れていく、愛の言葉。これだけを読めば、まるで二人が恋人同士かのような錯覚に陥ってくる。
しかし、依頼人とこの男に面識が無いことは確認済みだ。
静雄は彼女に同行する道すがらに「この場に知り合いはいるか?」と、何度か問いかけてみたことがある。彼女は周囲をぐるりと見渡し、その中にいる件の男を目の端に捉えながらも、「いいえ」と首を振った。
「彼は頭が良いね。どこに行くのか、誰を見て、誰に愛を囁いているのか。そういった個人を特定できるような表現をあえて避けてる。これ自体はつきまといの証拠としては弱いかな」
言いながらも、臨也はページの端々をスクリーンショットで保存していた。小さな証拠でも、有るに越したことはない。
「何でこんなまどろっこしい真似すんのか、俺にはさっぱり分からねぇな」
来客用のソファに腰を押し沈めた静雄が、溜息混じりに呟く。
「つけ回すぐらいなら、伝えりゃいいじゃねえか」
「それが出来れば、ストーカーなんて存在しなくなるよ。愛情表現は人それぞれだ」
「こんなモン、愛じゃねえだろ」
手にしたマグカップに口をつける。飲み残しのそれはお世辞にもうまいとは言えなかったが、新しいコーヒーを淹れる気にもならなかった。
「本人が愛だと信じて疑わなければ、それは愛なんだよ。形や方法はどうであれね」
「やけにストーカーに肯定的だな、お前」
 静雄の発言に曖昧な笑みを返すと、臨也は再びパソコンに向き直った。

(……くせぇ)
 コンタクトルームは、いわば臨也専用の執務室のようなものだ。山ほどの資料のファイルに囲まれた狭い空間には、当然のように彼の匂いが充満している。あんなに胸糞悪いと思っていたはずなのに。いつの間にかこの匂いに慣れ始めている自分が、少し意外だった。
「報告書上がったんなら、先に帰りなよ。俺はもう少し作業していくから」
こいつも、丸くなったってことなのかもな――。
キーボードを打つカタカタという微かな音を聞きながら、静雄はそんなことを考えていた。
革張りのソファはひんやりと冷たく柔らかく身体を包み込み、部屋の薄暗さも手伝って心地よかった。空っぽになったマグをテーブルの上に置き、静雄は背もたれに半身を埋めるようにして瞼を閉じた。
「シズちゃん?」
連日気を張り詰めていたせいか、どっと疲れが押し寄せてくる。まどろみに身をまかせ、静雄はそのまま意識を手放した。


「何で俺が君を送ってかなきゃならないんだよ」
ブツブツと文句を垂れながら、差し込んだエンジンキーを勢いよくひねる。助手席に運び込むまでは騙し騙し歩かせたものの、よほど疲れていたのか静雄はシートに座ると再び寝息を立て始めた。
「だからさっさと帰れって言ったのに」
作業を終えた臨也が揺り起こすと、彼はひどく不機嫌そうな面持ちで「家まで送れ」と凄んだ。
曰く、「事務所の鍵を持っているのは自分だし、相方ほっぽって帰れるかよ」というのが彼の言い分なのだが――あまりのジャイアニズムっぷりに、臨也は怒りを通り越していっそ笑いだしそうだった。
「単純馬鹿なんだか、真面目なんだか」
目元にかかる金色の髪に触れると、静雄はむずがるように唸った。うっすらと開いた瞼は、臨也の顔を一瞥して再び閉じられる。
ほんの一瞬だが、静雄はまっすぐに臨也を見た。飴色の瞳が少ない光を集めてキラキラと輝き、不覚にもどきりとした。
この男から怒り以外の眼差しを向けられる日がこようとは、臨也自身考えてもみなかったことだ。
長年にらみ合い続けてきた静雄の別の一面を覗くたび、胸の中に小波が沸き起こる。どこかくすぐったくて、落ち着かない。例えるなら、臨也の愛してやまない「人間」の新しい一面に触れた瞬間のような。その高揚にも等しい、胸の高鳴り。
「……ばかばかしい」
己の思考を断ち切るべく吐き捨て、臨也はゆっくりとアクセルを踏んだ。




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