新一 2歳8ヶ月 焦凍誕生
新ちゃんもどんどん大きくなって、お話や歩くのも上手になった。
前からよく私の事を気遣ってくれてたけど、最近はもっともっと助けてくれるようになった。

というのも、



「ママ、おなか、だいじょうぶ?くるしい?」

「大丈夫だよ、新ちゃん。あ、ほら動いた!」



現在妊娠10ヶ月。臨月です。

新ちゃんに弟ができます。


新ちゃんの時は零さんがこれでもかっ!ってくらい過保護になってたけど、今回はそれに新ちゃんも加わったもんだから嬉しいやらくすぐったいやら・・・

愛情を沢山注がれて、お腹もぐんぐん大きくなりました。



「もうすぐ新ちゃんはお兄ちゃんになるんだよ。」

「うん。ぼく、おにいちゃんになる。あかちゃんにはやくあいたい。」



ん"っっ!!!
ほんとにうちの息子可愛いよ!!!!







「ただいま!名前、変わった事無いか!?」

「おかえり零さん。お疲れ様。大丈夫だよ!元気元気!」

「名前、」


ちゅっ、ちゅっ、


「んっ、むう、んっ、」


啄むようなキスが続き、そのままお腹を庇うように抱き締められる。


「はあ、早く思いっきり抱き締めたい・・・。」

「私もぎゅーってされたいなあ。」

「っ、可愛い!」


ぎゅうっ
ほんの少しだけ腕に力を込めた零さん。
結婚して何年経っても、こうして変わらずに愛してくれるのはほんとにほんとに嬉しい。

ん・・・?
なんか、お腹・・・おかしい・・・、


「っ、いっ、」

「!?悪い!強すぎたか!?」

「ち、ちが、じん、つう来た・・・!」

「え!?」


思わず座り込めば零さんが支えてくれる。
騒ぎを聞き付けた新ちゃんも駆け寄ってくる。


「ママ!?」

「しんちゃ、ごめんね、驚かせて・・・、 」

「ママ、」

「新一、ママと病院行くぞ!準備だ!」

「うん!」




◆◆◆◆



新一のときには出産に立ち会ったが、今回は新一がいるから俺も待合室で今か今かと待っている。
分娩室からは名前の痛みに喘ぐ声が聞こえていて、新一は名前のこんな状態に驚き、泣きそうになっている。


「パパ・・・。ママ、いたいの?」

「ああ。すごく痛い。でも、こうやって命は産まれるんだ。新一のときもママは新一に会うために頑張ったんだ。」

「すごい・・・。」


涙は引っ込み、初めて直面する命の誕生の過酷さと神秘に、新一は引き込まれている。


「凄いことだよな。だから、そんな大切な命を守るためにパパたち警察官は頑張ってるんだよ。」

「まもる・・・。」




オギャアアアア!!




「「!!!」」



「お父様、お兄ちゃん、産まれましたよ!」

「名前!!」

「ママ!!」


汗だくで、満身創痍なのに笑顔で名前は待っていた。
名前の横には、新しい命。


「零さん、新ちゃん・・・。また、家族が増えたね。嬉しいなあ。ふふっ、可愛い。」

「名前・・・、ありがとう。ほんとに、頑張ったな。ほら、新一。弟だ。」


新一にもよくふたりが見えるように、抱き上げてやる。


「おとうと・・・。ママ、あかちゃんのなまえは?」

「ふふっ、パパがもう考えてくれたよ。」

「パパ?」


もう決めてる。
俺の、新しい、大事な家族。




「焦凍。この子は、焦凍だ。」




「焦凍・・・。すてきな名前・・・。」

「ぼく、しょうともママも、まもる!」

「っ!新ちゃん・・・。」


新一・・・。
新一も、俺の姿を見て憧れるようになったか・・・。
大勢の命を守る警察官。
新一!いいぞ!!


「いいぞ新一!パパが新一を強い男にしてやる!」

「パパもたおせるくらいつよくなって、ママとけっこんする。」


!!??
名前と結婚!?
息子でも名前は譲らないぞ!!


「名前はパパのお嫁さんだからダメだ!!」


「えー!」

「ふふっ、」




また、4人で幸せな家庭を作ろうな。







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